メルマガ・広報誌

vol.266(8月23日)

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◎ 豪、フィジー空港に6800万ドル支援 太平洋における中国との競争を念頭に
(2021.8.10、 大紀元)
https://www.epochtimes.jp/p/2021/08/77045.html
 オーストラリアはこのほど、南太平洋の島しょ国家フィジーの空港再建のために6800万ドルを提供した。
地域で強まる中国の政治的な影響力に対処している。
 2019年7月に設立した「太平洋諸島地域のためのオーストラリア・インフラ融資ファシリティ(AIFFP)」は、
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ) と提携し、パンデミックからの復興に向けて、
フィジーにあるナンディ国際空港の旅客輸送能力を高めるためにインフラ整備を支援する。
 豪政府関係者のゼッド・セセルジャ氏は、
オーストラリアは南太平洋地域における「高品質かつ低価格」のインフラプロジェクトに尽力している。
「このプロジェクトは、オーストラリアがAIFFPを設立した理由を示す模範例だ」と大紀元にコメントを寄せた。
 ANZ銀行のCEOであるShayne Elliottは、「ANZは、この地域で拡大する貿易や投資の機会と顧客を結びつける、
重要な役割を担っている」
「海外旅行が再開された際に、フィジーが迅速にキャパシティを拡大できるようなインフラ投資は、
将来の成長を促進するには不可欠だ」と声明の中で述べた。
 今回の空港建設は、豪外務貿易省(DFAT)傘下のAIFFPが支援する4番目のプロジェクトとなる。
AIFFPはこれまでに、パプアニューギニアの太陽光発電所、パラオの海底ケーブル、ソロモン諸島の水力発電所など、
5つのプロジェクトを支援してきた。
 AIFFPは、2018年にスコット・モリソン(Scott John Morrison)政権で設立された。
中国当局が南太平洋地域への低コストの投資を通じて影響力を強めることを念頭に置きながら、
オーストラリア政府が公表した「パシフィック・ステップ・. アップ(Pacific Step-Up)」の一環として設立された。
 7月、豪政府と豪通信大手テルストラが、
主に太平洋・カリブ海で事業を展開する世界的な通信事業者デジセル(Digicel)の携帯ネットワークの買収について
共同で取り組んでいた。
 専門家は大紀元に対し、この取引は商業的には成り立たないにもかかわらず、
豪政府は中国政府からの潜在的な綱引きを防ぐために、この会社の買収に資金を提供したいと考えていたという。
 南太平洋地域は、民主的な同盟国と中国当局との間の綱引きの中心となっている。
中国共産党は、「一帯一路構想(BRI)」などのインフラ投資やワクチンの寄付などを通じて、
太平洋における島嶼国の指導者たちの支持を得てきた。
 しかし、太平洋諸国の反応は多様であり、中国との関係を受け入れる国もあれば、完全に断る国もある
。例えば、サモアの新首相フィアメ・ナオミ・マタアファ(Fiame Naomi Mata'afa)氏は、
中国が支援する首都近郊の1億ドル相当のBRI港湾開発計画を取りやめる考えを正式に表明した。
これは、20年以上にわたって中国共産党と緊密な関係を維持してきた、サモア前政権からの大きな変化といえる。
(翻訳編集・蘇文悦)
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◎ 中国企業の海外事業で人権侵害告発が多発=国際NGO報告書(2021.8.11、ロイター)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bcfd45f36fa42500b29660e5d67b59499e56255c
 [11日 ロイター] -
国際非政府組織(NGO)「ビジネスと人権リソースセンター」は11日公表の報告書で、
中国は海外投資で責任ある投資家と見なされようとしているが、実際には海外事業に関連した人権侵害が多いと指摘した。
特に目立つのが鉱業分野だとした。
  報告書によると、2013-20年に海外事業に携わる中国企業に起こされた人権侵害の告発は679件。
業種別では金属鉱業が最多の236件で、このうち世界第2の産銅国ペルーや、
スズやレアアースの主要供給国であるミャンマーでの事例が目立つ。
 中国は金属の消費で世界首位だが、国内資源では需要を十分に満たせず、政府は同国企業に対し、
海外資産購入を通じて供給を確保するよう促している。
再生可能エネルギーへの進出も強めており、
中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」のグリーンエネルギー版の展開も公約に掲げる。
 報告書によると、中国企業の海外鉱業事業に対する告発の3分の1以上が関連するのが、
中南米やパプアニューギニアでの地域社会と中国系多国籍鉱業大手との間で長期化している係争案件。
パプアニューギニアでの金やニッケルやコバルトの生産事業では中国国営企業が関わる。
鉱業分野に次いで中国企業による人権侵害の告発が多いのは建設分野。
ラオスの鉄道プロジェクトに関連して地元住民の生計が失われた事例などがある。
  化石燃料関連は118件、再生可能エネルギー関連は水力発電事業を中心に87件。
 国別ではミャンマーが97件と最も多かった。
 報告書によると中国の鉱業資源などの輸出入当局は問題防止に努めようとしているが、
資源のサプライチェーンに関わる企業の規範順守意識に問題があるという。
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◎ 76年ぶり故郷へ ビアク島で戦死・伊藤さんの日章旗 地元関係者、思いはせ【岩手】(2021.8.11、岩手日日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f99c35baca23db21f2871fdcf5568cc6f3db8edb
 太平洋戦争下のパプアニューギニアのビアク島で戦死したとされる旧日本陸軍兵士伊藤正雄さん
(奥州市衣川旧殿)の日章旗が故郷に戻ってきた。
終戦から76年での帰郷に地元の関係者は日章旗に合掌する機会を設け、平和への祈りを新たにした。
  関係者によると、伊藤さんは1921(大正10)年2月生まれ。日本遺族会の調査では歩兵第222連隊に所属し、
同島で戦死したという。
  日章旗は44(昭和19)年5月、同島の洞穴の中で死亡していた日本兵が身に着けていたのを、
米軍の航空部隊員が持ち帰ったといい、この元米兵が2020年に返還の意向を示して同遺族会に送付。
持ち主についての調査を経て遺族は受け取りを希望し、今年に入って引き渡された。
 日章旗には「祈武運長久」「為伊藤正雄君」「南股報徳社」と書かれ、氏名と当時の出身地・地区割などの情報が一致するため
伊藤さんが出征の際に持っていた物とみられる。日章旗を所持して事切れていた兵士が伊藤さんであったかは判明しなかった。
 7月28日に衣川地区センターで開かれた衣川ユネスコ協会の活動「平和の鐘を鳴らそう」に合わせて、
同協会員と衣川遺族会の会員らが集まり、伊藤さんの足取りと日章旗返還までの経緯を紹介。所々傷みも目立つ旗に手を合わせた。
  同島で日本軍は米軍に敗れ、洞窟に立てこもる兵士に対し、米軍はガソリンを注ぎ放火したなど凄惨な戦況が伝わっている。
  同協会の佐々木秀康会長は「これまで伊藤さん個人を公に弔う機会はなかったが、みんなで手を合わせたことで浮かばれたのでは」、
同遺族会の浦川福一会長は「英霊が帰ってきたようで、自分のことのようなうれしさがこみ上げた。
災害で行方不明者の帰りを待つ人たちのように、遺族の多くは同じような気持ちのはず」とそれぞれに思いを語った。
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◎ 「反中国」に太平洋諸国を引き込めなかった日本・太平洋島しょ国の最大の関心事は環境問題で中国ではない(2021.8.13、 東洋経済)
https://toyokeizai.net/articles/-/447630
 日本と太平洋地域16カ国・2地域の首脳による「太平洋・島サミット」(PALM9)が7月2日にオンラインで開かれた。
菅義偉首相は「権威主義との競争など太平洋地域が新たな挑戦に直面している」と、「中国の脅威」へ団結を呼び掛けた。
 首脳宣言は「法の支配に基づく自由で開かれた持続可能な海洋秩序の重要性」を盛り込んだが、
島しょ国の関心は中国の脅威ではなく、海水面上昇や海洋ゴミ、核廃棄物など汚染物質対策に集中。
福島第1原発の汚染水の海洋放出問題で、日本に強い懸念を表した。
「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)に太平洋島しょ国を引き込もうとする日本の狙いは空回りし、
双方の思惑の「すれ違い」が目立った。
第2列島線めぐり米中台が攻防
 イギリス、フランス、ドイツなど西欧主要国が、空母や軍艦を相次いでインド洋や南シナ海に派遣し、
アメリカ、日本と合同軍事演習へ――。
日本外務省や防衛省が「得意げ」に発表する情報に接すると、中国包囲を狙うFOIPが、
世界で大成果を挙げているかのような印象を持ってしまう。
では太平洋島しょ国は、日本にとってどのような存在なのか、国際政治の文脈から探ろう。
菅政権は2月の日米豪印4カ国(クワッド=QUAD)外相会議で、FOIPが連携を強める地域として、
(1)東南アジア諸国連合(ASEAN)、
(2)欧州、
(3)太平洋島しょ国、を挙げた。
国際政治が専門の櫻田淳・東洋学園大教授は
将来的には「台湾やパラオを含む太平洋島嶼諸国を『西方世界』共通の拠点にしていくという構想である。
日本の西太平洋海域への関与もまた、こうした構想の文脈で考えられるべき」と主張している。
 一方、中国は小笠原諸島からグアム、パプアニューギニアを結ぶ「第2列島線」を、対米防衛ラインとみて
政治的・軍事的に重視する。習近平国家主席は2018年、パプアニューギニアを訪問した際、
国交のある島しょ国8カ国を集め首脳会議を開いた。
 アメリカ軍はマーシャル諸島にミサイル実験基地を置いているほか、アメリカのエスパー前国防長官は2020年8月、
パラオで米軍基地の設置を提案した。
パラオのウィップス大統領は2021年3月28日台湾を訪問した際、アメリカ政府は駐パラオ大使を同行させたほどだった。
 日本は、第1次世界大戦以降、太平洋島しょ国の多くを委任統治し、パラオに「南洋庁」を置き行政の中心地にした。
パラオは現在も外交・安保・財政を全面的にアメリカに依拠し、アメリカのこの地域の最重要拠点だ。
台湾が外交関係を持つ14カ国のうち、太平洋島しょ国はパラオやナウル、ツバル、マーシャル諸島の4カ国。
2019年にキリバスとソロモン諸島が台湾と断交し、中国と国交を結んでおり
、台湾にとってこれ以上の断交を防ぐ「外交防衛ライン」でもある。
 サミットに話を戻す。主催国日本にとって首脳会議の目標は、島しょ国をFOIPにどれだけ引き寄せられるかにあった。
日本は首脳宣言で、新型コロナウイルス対策として計300万回分のワクチン供与を2021年7月から開始する計画と、
インフラ投資支援策を打ち出した。
導出できなかった「中国批判」
 14の島しょ国のうち、中国が国交を持つのは10カ国と台湾の倍以上あり、首脳宣言で中国を名指し批判するのは難しい。
坂井学官房副長官がサミット後に、中国や台湾の議論は「まったくなかった」と説明したのもそれを表す。
首脳宣言の内容から島しょ国のポジションをみよう。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100207978.pdf
 日本とオーストラリアの主張が盛り込まれたのは次の2点。第1は首脳宣言第10項で
「法の支配に基づく自由で、開かれた、持続可能な海洋秩序の重要性」と書いた。
第2に、第12項で「公海及び排他的経済水域の航行及び上空飛行の自由並びにその他の国際的に適法な海洋の利用を含め
~中略~国際法を尊重することの重要性を改めて表明」とうたった。
第1の「海洋秩序」は、「海洋安全保障」を意味しない。では何を意味するのだろう。
それを解くには、「海洋秩序」の前に「持続可能な」という形容詞が付いていることに着目したい。
FOIPが「法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋」と強調するとき、名指しはしていないが、
海洋進出を強める中国を意識した表現であるのは明白だ。
 しかし、第10項は続けて「(島しょ国側は)海洋及び海洋資源の持続可能な管理、
利用及び保全に対するコミットメントを改めて表明」とし、
具体的には「(プラスチック並びに核廃棄物、放射性物質、その他汚染物質などの)海洋汚染や海洋ごみ、
海上安全保障及び海上安全、違法・無報告・無規制(IUU)漁業の撲滅」と書くのである。
 素直に読めば、太平洋島しょ国が直面する現在の脅威は、「中国の脅威」ではなく、海洋汚染と環境問題にあることがわかる。
日豪からすれば「法の支配」「自由で開かれた」という言葉を盛り込んだことで、「対中牽制」に成功した、と言いたいところだろう。
 しかしこの文章からうかがえるのは、立場の異なる双方の主張を満たす「玉虫色」表現ということだ。
この文章を、2021年3月12日にやはりオンラインで開かれた「クワッド首脳会合」の共同声明と比べてみる。
クワッド首脳会合は、同盟構築に消極的なインドに配慮し、中国への名指し批判を一切控えた。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100159229.pdf
 だが中国の海洋進出に関する部分では、
「東シナ海及び南シナ海におけるルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対応するべく、海洋安全保障を含む協力を促進する」と
、「海洋安保」の協力を盛り込むのである。
そうしてみると、太平洋島しょ国にとっては、中国の海洋進出に対する懸念や警戒は決して強くはなく、
FOIPに島しょ国を引き込もうとする日本とオーストラリアの狙いは「空回り」したと言えるだろう。
 第2の「公海及び排他的経済水域の航行及び上空飛行の自由」も、日豪側が強く主張した内容である。
だが文言に「中国」が入っていないだけに、誰も反対できない一般論に近いものがあり、この文章なら中国も反対しないと思う。
懸念は原発処理水の海洋放出
 太平洋島しょ国は、気候変動に伴う海水面の上昇によってツバルなどが水没の危険に直面していることは知られている。
首脳宣言が「重点協力分野」として、気候変動への取り組みを独立して取り上げたのもその懸念を裏付ける。
注目すべきは第11項で、東電福島第一原発から太平洋へのALPS処理水の海洋放出について「国際的な協議、
国際法及び独立し検証可能な科学的評価を確保するという優先事項を強調」と、日本政府の海洋投棄に強い懸念を表明したことである。
 海洋放出については、中国、韓国が非難・反対キャンペーンに傾注してきた。
さらにオーストラリア、ニュージーランドを含む「太平洋諸島フォーラム(PIF)」も、
独立した専門家が再検討するまで「放出延期」を求める声明を発表している。
しかし首脳会合を報じた日本の全国紙のうち、最も扱いの大きかった日本経済新聞の記事には、
海洋放出に対する島しょ国側の要求には一切触れていない。
その反面、「太平洋せめぎ合う日米vs中国、首相300万回ワクチン供与 島サミット、台湾念頭に支援強化」という3本タイトルに
「台湾念頭に支援強化」とうたったのが目を引く。
 記事は、菅首相がサミットで対中結束を促したのは「台湾と外交関係がある国に断交を迫る中国が念頭にある」とまで踏み込んだ。
「嫌中」の裏返しとしての台湾傾斜が全国メディアでも目立つが、日本政府とメディアはいつから、
外交承認問題で「台湾を支援する」立場に転換したのだろうか。
 こうして首脳宣言を点検すると、先に紹介した「台湾やパラオを含む太平洋島嶼諸国を『西方世界』共通の拠点にしていく」構想は、
現実離れの「空論」にすぎないことがわかる。
中国敵視のFOIPをアメリカとともに推進する日本外交は、重点地域とするASEANと太平洋島しょ地域では成功していない。
多くの国は、バイデンの「民主主義vs専制主義」という二元論的イデオロギー外交に困惑しているからである。
 比較的うまくいっているとみられるのは西欧諸国だ。
しかしインド・太平洋への艦船派遣は、艦船と兵員の練度向上という各国の軍事的要因と、
バイデン政権への「お付き合い」の意味もあろう。
フランスのマクロン大統領は「中国を敵視しない」と公言し、ドイツは中国との経済的結びつきが強い。
南シナ海や台湾で有事が起きたからと言って、欧州諸国が本気で艦船を派遣すると信じる者はほとんどいない。
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◎ もう一度、走りたい 戦死前日の願い 今に生きる…[戦後76年 戦禍のオリンピアン]<下>
(2021.8.14、 読売オンライン)https://www.yomiuri.co.jp/national/20210814-OYT1T50050/
 1943年10月2日夜、日本から約5000キロ離れた南太平洋のブーゲンビル島(現・パプアニューギニア)沖。
数十発の照明弾が上がった海上で
、旧陸軍・都城歩兵第23連隊の隊員らが乗る船艇に米国の巡洋艦や駆逐艦による一斉射撃が浴びせられた。
犠牲者の中には、36年ベルリン五輪・陸上男子200メートルに出場した谷口 睦生むつお がいた。
当時30歳。副官として甲板に立っていた谷口に敵艦の砲弾が直撃し、即死だったという。
 日本を代表するスプリンターとして知られた谷口は郷土の誇りだった。
熊本県八代市の緒方敬一(91)は小学生の頃、地域の運動会に招かれた谷口の走りを目の当たりにした。
「戦争に 翻弄ほんろう され、命を落としたことは本人が一番無念だったのではないか」。
谷口の銅像が立つ同市鏡総合グラウンドで、そうつぶやいた。
 同県鏡町(現・八代市)出身の谷口は、関西大学の学生時代、100メートルで10秒4、
200メートルで21秒2の記録を出し、“暁の超特急”と呼ばれた吉岡 隆徳たかよし (故人)と
日本陸上短距離界の双璧と称された。
日本中の期待を背負ってベルリン五輪の200メートルに出場し、2次予選まで進んだ。
続く東京五輪での雪辱が期待されていたが、その機会は永遠に訪れることはなかった。
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◎ 「埋葬する余裕はなかった」。「墓島」と呼ばれるブーゲンビル。
密林に放置されたままの戦友を思うと涙があふれる〈戦後76年 遺骨は語る〉(2021.8.12、南日本新聞社)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5fd392bb58a87597b7277d7dd114e5610d0abfbb
 命を落とした戦友の話に及ぶと、おえつが止まらず、涙があふれた。
旧日本陸軍軍曹で、パプアニューギニアのブーゲンビル島から生還した田平(旧姓西園)操さん(103)=薩摩川内市若松町。
「自分ばかり長く生きた」と自責の念に駆られ、つい5年ほど前まで戦争体験を語ることができなかった。
1943(昭和18)年11月に米軍が上陸後、豪軍も加わった死闘は終戦まで続いた。日本兵の多くが栄養失調だった。
「特に大陸の転戦を経験していない補充兵は体力がもたなかった」。連日の空襲でろくに眠れず、ジャングルをはいずり回る日々。
機関銃で連射する敵兵に旧式の歩兵銃で応戦した。  
入隊から一緒だった同郷の兵士は爆風で鼓膜が破れ、砲撃に倒れた。高温多雨で大地はぬかるみ、
不衛生な環境。マラリアのほか、重度の水虫に冒された足にハエがたかり、歩けなくなって息絶えた仲間もいた。
「中国では埋葬する余裕もあったが、南方では無理だった」と明かす。
 ■墓島  ブーゲンビル島には、田平さんが属した野砲兵第6連隊、
鹿児島の歩兵第45連隊など九州南部や沖縄の将兵が多数送られた。3万3000人余りが絶命し、
「墓島(ぼとう)」と呼ばれる。ガダルカナル島(餓島)などを含むビスマーク・ソロモン諸島の戦没者計11万8000人のうち、
日本に戻った遺骨は約6万柱(今年6月末時点)のみ。島ごとの内訳も定かでない。
 海外の遺骨収集について、日本政府は戦後12年がたった57年度、
各地の一部遺骨を「象徴遺骨」として持ち帰ったことで事業終了とした。
しかし、64年に海外渡航が自由化されると、戦友や遺族らがかつての戦地で野ざらしのままにされた遺骨を目にし、
収容を求める声が高まった。
 再開後間もない68年、鹿児島の生還兵が中心となって収集団を組み、ブーゲンビル島へ。
「歩兵第四十五聯隊ソロモン戦誌」には当時の様子が記されている。
「激戦場では戦友の屍(しかばね)を乗り越えて突進した。
放置されたその時の屍が多数見つかった」「手や足の骨は棒切れに紛らわしい程にこけむしていた」  
この時、2617柱を収容し、一部は鹿児島市照国町の「戦士之墓」に納められた。
■無 念  同誌編さん委員事務局で、元45連隊員の下津貫純義さん(100)=鹿児島市東坂元2丁目=は、
飢えに苦しんだ戦友の死が無念でならない。補給が途絶え、食料は「現地調達」。
ジャングルでサツマイモを作り、現地人から作物を奪った。ネズミやトカゲはごちそうだった。
 戦後、仕事の都合で収骨への参加はかなわなかった。その分、戦誌作りでこだわったのが「戦没者名簿」。
一人一人の氏名、階級、戦没年月日、戦没場所、出身地を記した。「戻らぬ遺骨の代わりに絶対に載せたかった。
痩せ細って死んでいった戦友たちが今もそのままなのはつらい」  先の大戦から76年
。海外や沖縄、硫黄島(東京都)で死亡した戦没者約240万人のうち、半数近くの遺骨が現地に残されたままだ。
今も帰りを待つ戦友や遺児らの高齢化は一層進む。
遺骨収集の現場や関係者の声を通じ、戦争の実相や平和への道を考える。
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 新型コロナウイルスに関する注意喚起(第119報) 
(2021.8.12、在PNG日本国大使館)https://www.png.emb-japan.go.jp/files/100221653.pdf
 パプアニューギニアにお住まいの皆様及び渡航中又は渡航予定の皆様へ
●PNG 当局の発表によれば、7 月 30 日(金)~8 月 5 日(木)の間に確認された新たな感染 者数は国内で合計 83 名でした。
●現在の累計感染者数:17,800 名(+83 名)
●現在の累計死者数:192 名
●累計確認者数の各州内訳:
NCD:5,272 名(+34 名)、セントラル州:276 名(+1 名)、ガルフ州:133 名、ウェス タン州:2,393 名、
ミリンベイ州:239 名、ノーザン(オロ)州:196 名、モロベ州:1,285 名(+9 名)、マダン州:498 名(+25 名)、
イーストセピック州:257 名、ウェストセピッ ク州:509 名(+7 名)、東ハイランド州:753 名、チンブ州:270 名、
ジワカ州:163 名、 西ハイランド州:1,076 名(+1 名)、南ハイランド州:217 名(+1 名)、エンガ州:293 名 (+1 名)、
ヘラ州:188 名(+1 名)、マヌス州:516 名、東ニューブリテン州:1,213 名(+ 2 名)、西ニューブリテン州:1,025 名、
ニューアイルランド州:583 名、ブーゲンビル自治 州:445 名(+1 名)
※( )内は 7 月 29 日(木)時点との比較
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◎ 新型コロナウイルスに関する注意喚起(第120報) (2021.8.17、在PNG日本国大使館)
 https://www.png.emb-japan.go.jp/files/100223313.pdf
 パプアニューギニアにお住まいの皆様及び渡航中又は渡航予定の皆様へ
●PNG 当局の発表によれば、8 月 6 日(金)~8 月 12 日(木)の間に確認された新たな感染 者数は国内で合計 12 名でした。
●現在の累計感染者数:17,812 名(+12 名)
●現在の累計死者数:192 名
●累計確認者数の各州内訳:
NCD:5,278 名(+6 名)、セントラル州:276 名、ガルフ州:133 名、ウェスタン州:2,393 名、ミリンベイ州:239 名、
ノーザン(オロ)州:196 名、モロベ州:1,286 名(+1 名)、 マダン州:501 名(+3 名)、イーストセピック州:257 名、
ウェストセピック州:509 名、 東ハイランド州:753 名、チンブ州:270 名、ジワカ州:163 名、西ハイランド州:1,076 名、
南ハイランド州:217 名、エンガ州:293 名、ヘラ州:189 名(+1 名)、マヌス州:516 名、
東ニューブリテン州:1,214 名(+1 名)、西ニューブリテン州:1,025 名、ニューアイ ルランド州:583 名、ブーゲンビル自治州:445 名
※( )内は 8 月 5 日(木)時点との比較
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