メルマガ・広報誌

vol.306(9月30日)

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◎    自衛隊が異国の音楽隊をゼロから育成 裏に「中国への対応」
(2022.9.23、au WEB ポータル/TBS)
https://article.auone.jp/detail/1/4/8/307_8_r_20220923_1663922162633310

素人をわずか数年でプロの音楽隊に育て上げる。そんな自衛隊の国際貢献活動が現地で高い評価を受けています。
こうした活動の背景には、中国の存在があります。現地の取り組みを取材しました。
日本から南におよそ5000キロ。イルカの群れが飛び跳ねるような美しい海がある南太平洋の島国・パプアニューギニアです。
先月下旬、首都ポートモレスビーの近くにある軍の駐屯地を訪ねると…

記者
「音楽を演奏する音が聞こえます。あちらですね、パプアニューギニアの軍楽隊の人たちが練習しています」
早朝から音楽隊の隊員たちが青空のもと、練習をしていました。
メンバーはおよそ40人で、5年半ほど前に結成された若い音楽隊です。
ほとんどの隊員がもともと楽譜も読めなかったといいます。

音楽隊員
「音楽の経験は全くありませんでした」
隊員たちをゼロから育て上げたのが、自衛隊の音楽隊。
隊員の多くが音大などを卒業後、入隊した“音楽のプロ”です。

陸上自衛隊中央音楽隊指揮者 柴田昌宜さん
「2018年APECでの演奏を目標にしていたので、実質3年間で楽器もない人もいないというところから、
どうやって始めて行くのかというところは、最初は雲をつかむような話で」

2018年、APEC=アジア太平洋経済協力首脳会議を初めて自国開催することになったパプアニューギニア。
各国首脳を盛大な音楽で迎えるため音楽隊を作る必要があり、頼ったのが日本の自衛隊だったのです。

音楽隊の支援は自衛隊による「能力構築支援事業」の一つで、
今年はモンゴルの道路建設指導やカンボジアでの測量指導など、さまざまな国で推進されています。

支援国との関係強化などが事業の狙いですが、その裏にあるのは「中国への対抗」。
中国が影響力の拡大を狙って推進するのが巨大経済圏構想「一帯一路」ですが、
実はこれまでの自衛隊の事業実施国を地図上でみると「一帯一路」の構想と重なります。

パプアニューギニアも中国が影響力を強める国の一つで、
街中には中国の援助で造られた新しい建物や道路が見られます。
安全保障面ではオーストラリアやアメリカなどと関係が深い一方、
中国からも防衛設備の提供などを受けていて、米中の思惑が交錯する場所となっているのです。

駐在する渡邊信之大使は、自衛隊の活動の意義をこう強調しました。

在パプアニューギニア 渡邊信之大使
「安全保障とか海の安全とかを考えると、日本の自衛隊とパプアニューギニア軍当局との関係強化は、
非常に有効な交流の分野だと思っています」

日本が楽器を提供し楽譜の読み方、リズムの取り方といった初歩の初歩から始まった音楽隊の育成。
厳しい練習に現地の隊員たちは、いつしか日本語のあの言葉を覚えるようにもなりました。
「気合気合気合」

そして2018年11月のAPEC本番。各国首脳らを前に見事な演奏を披露できるほどになりました。

パプアニューギニア 軍司令官
「日本との間で続くこの関係を本当に感謝しています。
私たちの特に防衛レベルの関係を強化してくれました」
音楽隊の次なる目標は11月の来日公演。
その際に着る演奏服は日本から提供されました。

音楽隊員
「サンキュー!ありがとう!日本で会えるのを楽しみにしています」

陸上自衛隊中央音楽隊指揮者 柴田昌宜さん
「インド太平洋地域の安定への寄与には確実につながっていると思いますし、
パプアニューギニア軍楽隊が他の国との関係構築のためにも活躍してくれると思っている」
「人材育成」という日本らしいアプローチ、中国に対抗する布石となるのでしょうか。

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◎    日・パプアニューギニア首脳会談(2022.9.27、外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/ocn/pg/page1_001316.html

9月27日、午前8時40分から約20分間、岸田文雄内閣総理大臣は、
故安倍晋三国葬儀に参列するため訪日中のジェームス・マラぺ・パプアニューギニア独立国首相
(Hon. James MARAPE, Prime Minister of the Independent State of Papua New Guinea)と首脳会談を行ったところ、
概要は以下のとおりです。

冒頭、岸田総理大臣から、マラぺ首相の再選に祝意を示しつつ、首相としての初の訪日を歓迎しました。
また、マラぺ首相の国葬儀参列及び同首相からの安倍元総理大臣の逝去に対する弔意への謝意を表明しました。

岸田総理大臣から、太平洋島嶼国地域の安定と繁栄の要であり、
また、天然資源の貿易等を通じ強固な絆で結ばれたパプアニューギニアを日本は特に重視している旨述べるとともに
、「太平洋のキズナ政策」の下、引き続きパプアニューギニアを力強く支援していく旨説明しました。

両首脳は、医療分野における協力、及び海上自衛隊の護衛艦「きりさめ」の寄港
並びにパプアニューギニア国防軍の軍楽隊・工兵隊の能力構築支援等の防衛協力の進展を歓迎しました。

両首脳は地域情勢について意見交換を行い、法の支配といった原則がしっかり尊重される必要があることで一致しました。
さらに、9月25日の弾道ミサイル発射を始めとする核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、
引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

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◎「共通の価値観」を強化 島しょ国へ支援伝達―元駐ソロモン米大使(2022.9.29、JIJI.com)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092801073&g=int
 【ワシントン時事】米国と太平洋島しょ国は28日からワシントンで首脳会議を初開催する。
2016~19年まで駐パプアニューギニア・ソロモン諸島・バヌアツの米大使を務めた
キャサリン・エバートグレー氏が時事通信とのインタビューに応じ、
首脳会議は「共通の価値観」を強める機会になると強調した。

―これまでの米国の関与は。
 島しょ国は目に見える発展を求めてきた。
こうした要望は新しくはないが、空港や道路の建設などに中国は応じる能力があり、提供してきた。
米国は人材育成に集中し、利用可能な形での発展を生み出してこなかった。こうした傾向は変わり始めている。
 ―島しょ国の反応は。
 インフラ投資や雇用確保のため、中国との関係構築を図ったが、
債務負担の問題を警戒している。
パプアニューギニアは18年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)開催に合わせたインフラ整備で中国の融資を受けたが
、債務負担に悩まされ、対中関係をよりうまく管理する必要性に気付いた。

 ―中国とソロモン諸島が安保協定を締結した。
 対中関係をめぐり、島しょ国の国々は考えを共有し、学び合っている。こうした動きは重要だ。
協定についても懸念を示す指導者がいて、ソロモン国内からも不満の声を聞く。
協定は透明性を欠き、地域の混乱につながる恐れもある。それはソロモンも望んでいないだろう。
 ―首脳会議の意義は。
 島しょ国に対し、関与拡大への強い姿勢を示すことになる。
対中関係や必要な支援を米国の指導者に直接伝える機会となり、
議会も含め米・島しょ国間の交流が深まるきっかけとなる。

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◎米、戦略文書発表へ 太平洋島しょ国と初首脳会議(2022.9.29、毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20220929/ddm/007/030/079000c

 米政府は28日、太平洋島しょ国との初の首脳会議を首都ワシントンで開き、
島しょ国に対する外交政策をまとめた戦略文書を発表する。
米政府高官が明らかにした。
米国は首脳会議で参加する国・地域と共同宣言を採択したい考えだが、オーストラリアの公共放送ABCによると、
ソロモン諸島が署名に難色を示しているという。
南太平洋地域で影響力を拡大する中国に対抗し、島しょ国との関係強化を図るバイデン政権だが、
思惑通りに進むかは見通せない状況だ。

 米政府によると、首脳会議にはソロモン諸島やフィジー、パプアニューギニアなど14の国・地域のリーダーらが出席し、
オーストラリアやニュージーランドもオブザーバーとして参加。
首脳会議は29日までで、バイデン大統領は最終日に、参加した首脳らと地域の戦略的重要性などについて意見を交わす。

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