vol.309(10月31日)
★★・‥…―━━━―…‥・・‥…―━―…‥・・‥…―━━━―…‥・★★◎104歳の元陸軍兵、地獄の戦場で「命も感情も失った」
…姉の死に涙も出ず(2022.10.21、読売オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221021-OYT1T50187/
太平洋戦争の激戦地だった東部ニューギニア(現パプアニューギニア)で終戦を迎えた104歳の元陸軍兵士が、
新型コロナウイルス禍で中断していた体験を語る取り組みを再開させた。
長崎県長与町の中野 清香(きよか)さん。戦友会で自分以外は全員鬼籍に入った。
ロシアによるウクライナ侵略での攻撃が激化する中、「命だけでなく、
人間の感情も奪う戦争の悲惨さを伝えたい」との思いを強くしている。(勢島康士朗、後田ひろえ)
自宅で東部ニューギニアの地図を見る中野さん(8日、長崎県長与町で)=坂口祐治撮影
16日、市民団体が企画したオンライン講話で、中野さんは自宅から、
全国各地で視聴する約40人に向けて体験を語り始めた。
1944年夏、日本軍がニューギニア島の米豪連合軍を攻撃し、大敗を喫した「アイタペ作戦」。
食糧も弾薬も尽き、犠牲者は約8000人に上ったとされる。
毛虫やイナゴ、カニを生で食べて下痢を繰り返し、栄養失調の戦友が次々と倒れた。
苦しさに耐えきれずに自殺する人もいた。倒れた兵士を助け起こす者は誰もいない。
中野さんは逃げ込んだ小屋でウジ虫のわいた日本兵の遺体と一晩をともにした。
「死臭も何も感じなくなり、『かわいそう』などの喜怒哀楽もなくなっていた」。
画面の向こうの人たちに、震える声で明かした。
鹿児島県薩摩川内市・ 甑 島出身。大工だったこともあり、入隊後、道路や橋を造る工兵となった。
43年4月、日本から約5000キロ離れたニューギニア島に上陸した。
島に着いて間もなく、輸送船から下船準備中、敵機の機銃掃射を受けた。
近くでさく裂する弾をよけて海に飛び込み、泳いで振り返ると船は沈没していた。
アメーバ赤痢に感染して40日間、高熱や下痢に苦しんだ。
丸腰で偵察中にジャングルで敵と遭遇し、伏せた頭の上を弾がかすめていったこともある。
当時、東部ニューギニアに投入された日本軍兵士約15万人のうち約13万人が犠牲となり、
その多くは飢えや病気で命を落とした。
「銃弾に当たって死ねるなら本望」とさえ思った。
26歳の頃、「たこつぼ」と呼ばれた1人用壕 の中で終戦を知った。
たった20発の銃弾を携え、銃を手に敵を待っていた時だった。
46年に復員。姉が子ども2人を残して病気で亡くなったが、悲しい気持ちが湧くことはなく、
涙も出なかった。毎日のように仲間が死んでいく戦争で感覚がまひしていた。
戦後は再び大工として働き、90年頃から戦死した仲間を弔いたいと現地を訪ね、
慰霊や遺骨収集をするようになった。
鉄かぶとをつけたままの頭蓋骨を目にした。頭を貫通した銃弾は鉄かぶと後部にのめり込んでいた。
東部ニューギニアでの戦争について調べ、戦友らから手記を集めて記録を作るうち、
「戦場で起きたことを伝えていくことが、生き残った者の務めだ」と考えるようになった。
10年ほど前から市民向けに講話をしたり、自宅を訪ねてくる大学生に体験を話したりしてきた。
ただ、コロナ禍によって人前で語る機会はほとんどなくなった。昨年末には心筋 梗塞(こうそく) を患い、
2か月ほどの入院を余儀なくされた。
そんな中、ロシアのウクライナ侵略が始まった。
焼け跡となった街並みのニュース映像を見ていると、戦争体験が脳裏によみがえった。
「ウクライナの人たちは、かつての自分のように、心が殺されてしまっているのではないか」と胸を痛めた。
通っている高齢者施設で9月、体験を語った。市民団体「戦場体験放映保存の会」(東京)の呼びかけで
今月16日のオンライン講話も実現した。
「戦争とは『人間の限界』だ。戦争と平和について多くの人が意識している今こそ、
体験を聞くことで戦争がいかに悲惨か知ってほしい」と話す。
機会があればこれからも伝え続けるつもりだ。
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◎ Health authorities in Highlands, Morobe get new vehicles - Post Courier
(2022.10.21、Post-courier)
https://postcourier.com.pg/health-authorities-in-highlands-morobe-get-new-vehicles/
... of vehicles were donated by international development partners- UNICEF, GAVI and the people of Japan,
through the Japanese Embassy in PNG.
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◎ Japanese experts to assist Special Economic Zone projects (2022.10.24、Post Courier)
https://postcourier.com.pg/japanese-experts-to-assist-special-economic-zone-projects/
Japanese think tank firm, the Japan Development Institute will be arriving in the country today
for a fact-finding mission on the development of ...
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◎ 戦時中に戦意高揚目的に上演「国策紙芝居」 今こそ知って
長野市の清泉女学院大で11月展示(2022.10.26、信濃毎日)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022102600226
第2次世界大戦中、国民の戦意高揚を目的に制作、上演された「国策紙芝居」が11月1~11日、
長野市上野の清泉女学院大・短大図書館で展示される。
ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、同短大准教授(児童文化論)として紙芝居を研究する道化師、
塚原成幸(しげゆき)さん(55)=上高井郡小布施町=が企画。「
現代に置き換え、情報との向き合い方を考えるきっかけにしてほしい」と呼びかけている。
■ウクライナ侵攻続く現状 情報との向き合い方 考える契機に
国策紙芝居の内容は多岐にわたる。
激戦が繰り広げられたパプアニューギニアで玉砕した日本軍の奮闘を劇的に描いた「爪文字」、
諜報(ちょうほう)戦について解説した「スパイ御用心」、兄の出征を受け、
子どもたちが「桃太郎部隊」を結成し水くみや道路整備で大人たちを助ける「子供召集令」…。
年間約300作品が計70万~80万部発行され、台湾や朝鮮半島でも上演されたという。
制作には劇作家らが携わっていた。塚原さんは「完成度が高く、見る人の心を動かすようにできており、
いつでもどこでも上演できるため大きな影響力があった」と話す。
戦時中の自治会の集まりなどでは大人向けの作品も上演されたという。
国策紙芝居の展示について、塚原さんは「軽い気持ちではできない」と機会をうかがってきた。
期間中は塚原さんが代表を務め、県内の保育・教育関係者らでつくる「ながの子どもの文化研究所」が、
子どもの文化研究所(東京)から借りた20点を展示する。
今月29日の午前10時半からは清泉女学院大・短大で、街頭紙芝居師の古橋理絵さん(大阪府)による国策紙芝居の実演も行う。
参加費500円。図書館での展示は午前10時~午後5時(11月6日は休館)。無料。
問い合わせは同館(電話026・295・1320)へ。
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◎ Marape welcomes Japanese think tank(2022.10.26、Post Courier)
https://postcourier.com.pg/marape-welcomes-japanese-think-tank/
... the Asian Development Bank (ADB), Japan International Cooperation Agency (JICA)
and the World Bank to build SEZs right across the country.
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◎ 世界銀行、2022年の東アジア・大洋州の成長率予測を3.2%に下方修正
(ASEAN、中国、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、
ラオス、ミャンマー)(2022.10.31、JETRO)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/10/b38906b84de2bfd4.html
世界銀行は、9月26日発表の「東アジア・太平洋地域 半期経済報告書2022年10月版」 で、
東アジア・太平洋地域の新興国(注)における2022年の実質GDP成長率予測を3.2%とした(添付資料表参照)。
前回4月に発表された予測値(5.0%)から1.8ポイントの下方修正となった。
東アジア・太平洋地域の大半の国は経済が上向く見通しとなる中、
域内GDPの8割以上を占める中国経済の失速が反映されたかたちだ。
同報告書によると、2022年の中国の成長率予測は、前回の予測値(5.0%)から2.2ポイント引き下げられ、
2.8%となった。世界銀行は、中国では厳格な新型コロナウイルス感染封じ込め策(ゼロコロナ政策)が続いており、
経済が失速していると指摘した。
中国を除く東アジア・太平洋地域の新興国の成長率は、
前回の予測値(4.8%)から0.5ポイント引き上げられ、5.3%となった。多くの国では、
新型コロナウイルス感染対策措置の緩和に伴い、内需が回復している。
同時に、輸出需要も伸び、成長予測を押し上げる要因となった。
ASEANでは、ベトナムの成長率予測が7.2%と高く、前回の予測値(5.3%)から1.9ポイント引き上げられた。
同報告では、中国とベトナムは2020年内に新型コロナウイルス流行前の経済水準(2019年)に回復し、
インドネシアとマレーシアは2021年末に同水準に到達したと説明。カンボジアとフィリピン、
タイは2022年内に同水準に到達するとの見通しを示した。
世界的な景気減速、公的債務増加などに警戒
世界銀行は、世界的な景気減速の予兆も見られるとし、
東アジア・太平洋地域の輸出需要が今後冷え込む可能性を指摘した。
また、世界的なインフレに伴い、利上げに走る国が増えたことで、
一部の新興国で資本流出や通貨下落が加速している。
これにより、ラオスやモンゴルなど、対外債務の割合が大きい国で財政状況が悪化している状況に、
危機感をあらわにした。
インフレなどに対する国内政策のゆがみも、リスクとして挙げた。
食料価格の統制や燃料価格への補助金投入は、貧困層や中小企業よりも、
富裕層や大企業への恩恵が大きいと指摘した。同時に、歳入の減少により、
インフラや教育、保健分野への公的支出の減少につながりかねないとの懸念を示した。
(注)中国、モンゴル、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、
パプアニューギニア、フィリピン、タイ、東ティモール、ベトナム、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、
ミクロネシア連邦、ナウル、パラオ、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツで構成。
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◎ オーストラリア政権、島しょ国支援を大幅増 予算修正(2022.10.25、日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM240OM0U2A021C2000000/
【キャンベラ=松本史】オーストラリアのアルバニージー政権は25日、
2022会計年度(同年7月~23年6月)の予算修正案を発表した。中国の影響力が強まる太平洋島しょ国などに対し、
治安維持や違法漁業の取り締まりなどを含む政府開発援助(ODA)を前政権の計画から大幅に増やした。
物価高対策として保育料補助の増額なども打ち出した。
豪州では5月実施の総選挙で労働党が勝利し、約9年ぶりに政権交代が実現した。
労働党を率いるアルバニージー首相は今回、独自の予算案を発表し、
新政権としての方向性を打ち出した形だ。
22年度の予算案と同時に、今後の財政方針も示しており、
選挙公約としていた太平洋島しょ国への支援積み増し額は4年間で9億豪ドル(約850億円)とした。
労働党は当初5億2500万豪ドルの増額を掲げていたが、3億7500万豪ドルを上乗せした。
島しょ国に東南アジアなどを含めたODAの総額は22~25年度の4年間の合計で計154億豪ドルとなり、
モリソン政権時の141億豪ドルを大きく上回った。
こうした費用にはソロモン諸島の治安維持活動支援のための豪警察派遣費用の4600万豪ドルも含まれる。
このほか、太平洋での違法漁業の取り締まりを行う航空監視能力の向上に4年間で3000万豪ドル、
島しょ国の警察など治安部隊に訓練を行う「太平洋防衛学校」の設立に690万豪ドルをあてる。
ソロモンは今年4月に中国と安全保障協定を結ぶなど、中国の軍事拠点化への懸念がくすぶる。
安保協定の契機となったのは21年にソロモンの首都で起きたデモだ。
参加者が暴徒化し、中華街で死者が出た。
豪州はすでに軍や警察などをソロモンに派遣しているが、改めて予算を確保し、中国に対抗する構えだ。
島しょ国向けのインフラ支援ファンドも当初の35億豪ドルから40億豪ドルに増額した。
ウォン外相は予算案発表に先立つ21日、講演で「地域の主要な資金の貸し手として、
豪州は持続不可能な債務負担を強いることはないと保証する責任がある」と述べた。
トンガなどの島しょ国で中国からの債務が膨らんでいることを意識した発言とみられる。
豪州はインド太平洋地域で海洋進出を強める中国を念頭に、
米英と安保協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」を構成し原子力潜水艦を配備する計画を進めている。
22年度の国防費は3月時点の480億豪ドルから微増にとどめたが、25年度までの4年間の合計は1%増える。
足元で進むインフレ対策としては、4年間で47億豪ドルを投じる保育料補助の増額や有給の育児休業の拡大を打ち出した。
モリソン前政権は3月の予算案で福祉手当受給者への現金支給や低・中所得者層への税控除を軸に据えていた。
アルバニージー政権は「インフレを加速させることなく、責任ある方法で生活を楽にする」(チャーマー財務相)として、
子育て世代や若年層の就労を促進する考えだ。
22年度の赤字額は基礎的現金収支で368億豪ドルと、
3月時点の予測から411億豪ドル減少すると見込む。
ただ赤字削減は資源・エネルギー価格の上昇を受けた税収増などが寄与するためで、今後の見通しは不透明だ。
豪政府は推計値を公表している25年度までは赤字が続くと見込む。
予算案の前提となる経済成長率は3月時点の予測を見直した。
22年度の成長率は3.5%から3.25%に、23年度も2.5%から1.5%と下方修正した。
消費者物価指数(CPI)上昇率については、23年6月末時点で5.75%、24年同時点では3.5%と見積もった。
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