vol.310(11月10日)
★★・‥…―━━━―…‥・・‥…―━―…‥・・‥…―━━━―…‥・★★◎ 2022年 濱口梧陵国際賞(国土交通大臣賞)受賞者が決まりました。
~国内から1名、国外から2団体が受賞~(2022.11.1、国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/port07_hh_000183.html
濱口梧陵国際賞は、我が国の津波防災の日である11月5日が、
2015年の国連総会において「世界津波の日」として制定されたことを受け、
沿岸防災技術に係る国内外で啓発及び普及促進を図るべく、
国際津波・沿岸防災技術啓発事業組織委員会によって2016年に創設された国際的な賞です。
今般、2022年の受賞者が下記の1名・2団体に決まり、
授賞式及び記念講演会が下記のとおり開催されますのでお知らせします。
<濱口梧陵について>
現在の和歌山県広川町で生誕。安政元年(1854年)突如大地震が発生、大津波が一帯を襲いました。
このとき、梧陵は稲むら(稲束を積み重ねたもの)に火を放ち、この火を目印に村人を誘導、
安全な場所に避難させました。
その後も、被災者用の小屋の建設、防波堤の築造等の復興にも取り組み
、後の津波による被害を最小限に抑えたと言われています。
記
(1)日 時 令和4年11月8日(火) 16時00分~(授賞式)
16時40分~(記念講演会)
(2)場 所 海運クラブ(東京都千代田区平河町2丁目6-4海運ビル)
(3)受賞者 1名・2団体
○佐竹 健治 東京大学地震研究所所長
○パプアニューギニア大学自然科学部災害リスク軽減センター(パプアニューギニア)
○オレゴン州立大学工学部 OH ヒンズデール波浪水理実験場(アメリカ)
≪パプアニューギニア大学自然科学部災害リスク軽減センター(パプアニューギニア)≫
1998 年のアイタペ地震と津波は大きな被害をもたらし、災害への備え、対応、 復旧の強化が課題となった。
パプアニューギニア大学災害リスク軽減センター は、
パプアニューギニアと太平洋地域の災害に対する意識と備えを向上させるために設立されて 20 年を迎え、
国内および国際レベルで数多くの教育、研究、 意識向上活動で成果を上げ、
地域社会の持続的成果を目指して努力を続ける、不 可欠な存在であることは明らかである。
地質学と防災の学習プログラムは、現在、 13 週間(学期)で行われ、
基礎地質学や自然災害・人為災害を含む防災・減災 の基本を学ぶことができる。
パプアニューギニアや近隣諸国における津波やその他の自然災害に関する研究や出版物も重要なものと評価されている。
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◎ MILITARY band invited to Tokyo marching festival(2022.11.3、National)
https://www.thenational.com.pg/military-band-invited-to-tokyo-marching-festival/
THE PNG military band has been invited to take part in a marching festival in Tokyo, Japan this month.
The band was invited by Japan’s Ministry of Defence to take part in
the Japan Self-Defence Force’s marching festival.
Six members of the Japanese self-defence force have been helping the local band members
prepare for the festival to be held from Nov 17 to 19.
They will undergo further training in Tokyo before the festival.
Japanese Embassy deputy head of mission Shinichi Maruo said
the PNG band’s efforts would further strengthen bilateral relationship
A dress rehearsal was held yesterday at the Murray Barracks parade ground.
Defence Force chief Major-General Mark Goina thanked
the people and the government of Japan for their “continuous support”.
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Jica team plans ENB infrastructure projects(2022.11.4、National )
https://www.thenational.com.pg/jica-team-plans-enb-infrastructure-projects/
A technical team from the Japanese International Cooperation Agency is
in Kokopo, East New Britain (ENB), to plan the Kokopo-Rabaul infrastructure development projects.
This was revealed by deputy provincial administrator in charge of socio economic services
and chairman of the Kokopo-Rabaul infrastructure development projects Levi Mano.
Mano said that the team was in the province to consult with provincial administration
on major projects for Rabaul and Kokopo.
He told The National yesterday that
it was an integrated project that would cover all sectors
and this had come about following lack of support from the national departments
on the province’s development plan.
“The Kokopo-Rabaul infrastructure development master plan aims to capture the project goals,
to promote the development of infrastructures in harmony with the economic sectors
and the environment within the Kokopo-Rabaul and to contribute to budget planning that is
necessary for infrastructure development in the province,” he said.
PNG representative Akira Fujiwara said that the Kokopo-Rabaul infrastructure development plan was
the only master plan project that they were working on at the moment in the country,
with the last one done several years ago for Lae city in Morobe.
Fujiwara said they chose to work with ENB because it had a lot of economic potential.
“As you know, this province is famous for tourism and other economic activities,
there is so much potential in the province that we can expand on and as you can see,
that this is just a plan, it is just the beginning of the project,” he said.
“The important part of this project is its implementation.”
“The project is aimed at maximising the province’s economic potential and,
therefore, we are ready to work with the provincial administration to make this plan eventuate.”
Fujiwara said they will be providing technical support for the formulation of
an infrastructure development plan in the Kokopo and Rabaul districts
which included the pre-feasibility study of a selected priority project.
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◎ 東京ドキュメンタリー映画祭(2022.11.4、映画情報ドットコム)
https://eigajoho.com/archives/239920
今年で5回目を迎える東京ドキュメンタリー映画祭が12月10日(土)〜12月23(金)まで新宿
K’s cinemaにて開催される。今年は2週に拡大。
今年も「短編」「長編」「人類学・民俗映像」の各コンペティション部門の厳選された作品のほか、
暗黒舞踏などの「特別上映」、さらに独自の文化が色濃く残るパプアニューギニア関連の作品を「特集」として上映する。
現代社会ならではの生きづらさや先の戦争の傷あと、地域の暮らしや家族との葛藤などを粘り強く見つめた、
作り手の真摯な姿勢が目立つ今年のプログラム。記録性や事実性をベースに、
それぞれの“物語”へと飛躍するドキュメンタリー映像の魅力や奥深さを分かち合う貴重な2週間となる。
≪全文は長いので、一部を省略しています。全文は、URLをクリックして閲覧願います。≫
Q.どの作品もオススメだと思いますが、その中でも注目を浴びそうな作品とその理由を挙げてください。
TDFFでは、人類学関係の特集にお客さんがよく入る傾向があります。
今年は、牛山純一がプロデュースした「すばらしい世界旅行」で活躍した、ディレクターの市岡康子さんを審査員にお迎えします。
そこで「特集 パプアニューギニア」と名付け、市岡さんがニューギニア島で撮った
『クラー西太平洋の遠洋航海者』『ギサロ』『裸族最後の大酋長』の3本と、
現代のパプアニューギニアの森林の危機を描く
『森からの声』をプログラムしました。
どれも普段見れない作品なので、見逃さないようにお願いします。
なかでも、ダニ族の酋長の語りと再現映像で描く『裸族最後の大酋長』は、
記録と虚構を混ぜ合わせた珍しい手法の作品で、シネフィルにもおすすめします。
Q.読者にメッセージをお願いします。
当映画祭では、映画館のスクリーンでもサブスクでも見られる機会の少ない作品を集めています。5
年目になり、映画ファンの期待にこたえられる質と量になってきました。
今年は上映期間が2週間に拡大し、大分見やすくなりましたので、ぜひ足をお運びください。
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◎ 温暖化「損失対応」隔たりも COP27、途上国で募る不満(2022.11.7、日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR070NR0X01C22A1000000/
地球温暖化対策を話し合う第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)は
海面上昇や干ばつなどによる途上国での「損失と被害(ロス&ダメージ)」への対応を正式な議題とすることで合意した。
不満を募らせる途上国側は温暖化の影響による損失補償で大規模な支援を求める見通し。
先進国側とは具体策で隔たりがある。
首脳級会合が7日に始まった。
国連のグテレス事務総長は演説で「先進国が率先して行動しなければならない」と、
二酸化炭素(CO2)などの排出削減や途上国への支援で踏み込んだ行動を取るよう呼びかけた。
「損失と被害」への具体策ではCOP27議長のシュクリ・エジプト外相が6日
、遅くとも2024年までに最終的な結論を得たいと語った。
「損失と被害」は大型ハリケーンや干ばつなどで家屋や収入を失ったり、
海面上昇で住む土地がなくなって移住を余儀なくされたりする事態を想定する。
小規模な途上国はこれまで排出が少なく、先進国に比べて温暖化の責任は重くない。
先進国と異なり財政的な余裕はなく、有効な対策をとれず影響をじかに受ける。
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、気候変動による被害は世界で顕在化している。
パキスタンでは6月中旬以降の洪水で1700人超が死亡し、1万人以上が負傷した。住宅も220万戸が損壊し
、1万3000キロメートルの道路が被害を受けたという。いまも多くの地域で浸水したままだ。
南米では干ばつが深刻になっている。チリは20年ごろから干ばつの常態化の可能性が指摘される。
アルゼンチンは国内の農業に適した地域のうち、75%が降雨不足に見舞われている。
水不足で22~23年の小麦の生産量は前年同期比で28%減少する見通しだ。
海面上昇も影響を及ぼす。高潮や洪水のリスクが高まり、海岸が浸食されて土地が狭くなる。
海抜の低い島しょ国のキリバスなど他国への移住を検討する国もある。
39カ国からなる小島しょ国連合は6日、多くを排出してきた先進国を念頭に
「他者がつくりだした汚染の犠牲になるつもりはない」と表明した。
「損失と被害対応基金」の設置も要求し、被害が出た国に基金から資金を拠出する構想をえがく。
中国など途上国グループが後ろ盾になっている。
グテレス氏は9月、化石燃料を扱うエネルギー企業に課税して徴収した分を途上国に回す案を提起した。
これまで「損失と被害」に関する議論を独立させることに慎重だった先進国はこのたび姿勢を和らげた。
異常気象で途上国を中心に大規模な被害が出ており、方針を転換した。
もっとも現段階では議論に同意しただけで、具体的な支援策については明らかにしていない。
米欧はとりわけ支援の額を提示するのには慎重だ。
「損失と被害」をどう定義し、どう測定するかによって支援が巨額になる可能性がある。
支援額をめぐっては30年に2900億(約42兆円)~5800億ドル、50年には1兆ドル超になるとの分析もある。
途上国が求めるのは「損失と被害」による支援だけではない。
温暖化ガスの排出削減などの分野で、先進国は20年までに年1000億ドルを途上国に拠出すると約束した。
実際は833億ドルにとどまる。
1000億ドルが実現するのは23年になりそうで、途上国側で先進国への不満は高まる。
25年以降の支援について、1000億ドルからの引き上げを視野に目標額が議論される見通しだ。
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◎ 太平洋地域で中国とアメリカがつばぜり合い 諸国は地政学的対立を利用した「天秤外交」
(2022.11.9、Globe )https://globe.asahi.com/article/14762917
太平洋地域はマーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオなどの「ミクロネシア」、パプアニューギニア、
ソロモン諸島、フィジーなどの「メラネシア」、
そしてキリバス、サモア、ツバル、トンガなどの「ポリネシア」という三つの地域に分かれている。
一方、太平洋の国々とオーストラリア、ニュージーランドなど14カ国2地域は
「太平洋諸島フォーラム(Pacific Islands Forum=PIF)」を構成しており、
加盟国や地域における対話と協力に取り組んできた。
そんなPIFに最近、米国が急接近している。
元々この地域は戦後、日本から国連信託統治領を引き継いだ米国がミクロネシア、
オーストラリアが地理的に近いメラネシア、ニュージーランドがポリネシアを、
それぞれの「勢力圏」と位置づける時代が続いていた。
9月、米国はPIFメンバーをワシントンに迎え、首脳会議を開催。共同宣言を発表し、
この地域にある米政府公館を6カ所から9カ所に増やすことを含めたパートナーシップの強化や、
気候変動対策の協力など、11項目の関係強化を発表した。
PIFは前身の組織を含めると約50年の歴史があるが、今になって米国が関心を強めている背景には、
この地域における中国の存在感が増しているからだ。
中国はすでに、パプアニューギニアとソロモン諸島に対して様々な経済協力や安保協力を実施している。
例えば今年4月、中国とソロモン諸島は安全保障協定を締結。
今夏には、米沿岸警備隊の巡視船の同諸島のガダルカナル島への寄港を拒否したことが明らかになった。
ソロモン諸島は、9月末に発表されたPIFと米国による共同宣言に署名することを一時見送る姿勢も示している。
パプアニューギニアを巡っても2018年ごろ、メナス島について中国企業から開発の打診があった。
これに対し、中国の軍用機が利用できる空港や、
軍艦の使用も認める港湾施設の整備につながるという疑念の声が米豪など上がり、
両国が開発を担うことでパプアニューギニアと合意した。
メラネシアは日本軍が戦中、パプアニューギニアに設けたラバウル航空基地を拠点に
ソロモン諸島のガダルカナル島で戦いを繰り広げた場所だ。
そして、米国のお膝元とも言えるポリネシアにも中国の影がちらつく。
米国はミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオと自由連合盟約
(Compact of Free Association=コンパクト)を結んでいる。
米国が3カ国の独立を承認し、経済支援や米国との自由往来の権利などを認める代わりに、
米国が同地域への排他的な軍事的アクセス権を得るという内容だ。今年中にも、
コンパクトの更新交渉が行われると言われているが、
米国の懸念はミクロネシア連邦における中国の動向だ。
ミクロネシア連邦は中国と国交があり、同連邦からの独立を巡る住民投票の動きがあるチューク州に対し、
中国は相当規模の援助を提供。そればかりか、住民投票にも「介入」しているとの未確認情報がある。
そのため、中国がコンパクト更新に向けた交渉にも介入するのではないか、と米国は警戒しているようだ。
米国がコンパクトの更新に失敗した場合、どうなるのか。
アジア太平洋の安全保障を専門とする防衛省防衛研究所の佐竹知彦主任研究官は次のように指摘する。
「ミクロネシアは、米軍基地があるグアムと近距離の位置にあります。
また米軍はパラオに監視用のレーダー施設の建設を予定するなど、同国における軍事プレゼンスを強化しています。
米軍が進める分散配置の拠点としてもミクロネシアの島々は重要です。
仮に中国が同地域で影響力を持つことになれば、こうした米軍の戦略に楔を打ち込むことになります」
バイデン米大統領はPIF諸国との首脳会議で、
海洋安全保障などのために計8億1千万ドル(約1170億円)を支出する考えを示した。
ただ、支出には米議会の承認が必要だ。米議会はかつて、
パラオとのコンパクトの延長に関する法案を8年間「塩漬け」にしたこともある。
佐竹氏は「専門家が少ないこともあり、議会全体の関心が太平洋諸国に向いてこなかったのでしょう。
太平洋諸国の中にも『米国は私たちを無視してきた』という気持ちがあるようです」と語る。
また、経済支援をする場合、現地にはインフラ整備ができる能力がある企業が不足している。
米国など外国企業もスケールメリットが小さかったり、資材や人員を運ぶ距離が遠すぎたりして、
太平洋諸国への進出をためらう可能性がある。
バイデン米大統領はPIF諸国との首脳会議で、
海洋安全保障などのために計8億1千万ドル(約1170億円)を支出する考えを示した。
ただ、支出には米議会の承認が必要だ。米議会はかつて、
パラオとのコンパクトの延長に関する法案を8年間「塩漬け」にしたこともある。
佐竹氏は「専門家が少ないこともあり、議会全体の関心が太平洋諸国に向いてこなかったのでしょう。
太平洋諸国の中にも『米国は私たちを無視してきた』という気持ちがあるようです」と語る。
また、経済支援をする場合、現地にはインフラ整備ができる能力がある企業が不足している。
米国など外国企業もスケールメリットが小さかったり、資材や人員を運ぶ距離が遠すぎたりして、
太平洋諸国への進出をためらう可能性がある。
太平洋諸国は「この地域に地政学的な対立を持ち込むな」と主張しているが、
同時に「地政学的対立」を利用して独自外交を展開しているという側面もある。
最近の新型コロナウイルス・ワクチンの大量支援を見てもわかる通り、中国が物量では日米豪などを圧倒している。
日米豪などは、地域のニーズに寄り添った、質が高く、持続可能な支援を考える必要がある。
佐竹氏は、その一例として、観光支援を挙げる。
太平洋諸国には観光収入が国内総生産(GDP)の何割かを占める国がいくつもある。
太平洋諸国を対象にした、海外版の「Go Toトラベル」を実施するのも一案だと言える。
海底地震や津波観測、違法漁業の取り締まりなど、海洋状況把握(MDA)のための支援も有効という。
佐竹氏は「観測衛星の情報共有は将来的に、安全保障分野での協力にもつながります」と語る。
当面、米国と中国の綱引きがますます激しくなるこの地域から目が離せない状態が続きそうだ。
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◎ 丸尾次席、ゴロカ大学に日本財団のRead Japan Projectで図書を寄贈
(2022.11.8、在PNG日本国大使館)
https://www.png.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000246.html
11月8日、丸尾次席参事官は日本財団のRead Japan Projectで
東ハイランド州ゴロカ大学社会科学学部に寄贈された学術図書104冊を引渡しました。
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