メルマガ・広報誌

vol.365(5月10日)

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◎  2024年度 総会のご案内
本年度の総会を次の日程で開催いたします。
詳細は追って郵送にてご案内いたします。
日時:6月27日(木曜日) 
   総会  1100から
   懇親会 1200から

皆様のご参加をお待ちいたしております。

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◎ 次号ゴクラクチョウの発日変更のご案内
4月末発行予定のごくらくちょう83号は諸般の事情で発行が
5月中旬を予定しております。 今回は総会資料を同封いたしますので、
日ごろごくらくちょうもメール添付で御覧いただいている会員の方にも
郵送させていただきます。 
発行が遅れまして申し訳ございません。
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◎    パプアニューギニアの人が筋肉質な理由に糞便から迫る|梅崎昌裕
東大の排泄関連研究(5) (2024.4.30、UTokyo)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z1304_00279.html
パプアニューギニアの高地に滞在するうち、
サツマイモが主食でタンパク質摂取が少ない現地の人たちが筋骨隆々だと気づいた梅崎先生。
糞便サンプルを集めて分析し、窒素を固定する機能を持つ腸内細菌を探りあてました。
人類と腸内細菌との素敵な共生関係とは?

タンパク質摂取が少ないパプアニューギニアの人が筋肉質な理由に糞便から迫る
たとえば、ライオンは地域が別でも肉食ですが、人類の食べ物は地域ごとにいろいろです。
アフリカにいた頃にはまだ小さかった人類の多様性は、
各地に広がって環境に適応するうちに拡大しました。

そうした人類の多様性の解明を目指すのが、人類生態学です。
糞便から腸内細菌を調べる
人類生態学では調査地に長く滞在することが多く、私の場合はそれがパプアニューギニア高地でした。
現場に入らないと見えないテーマを探すのがこの分野の醍醐味です。
初めて現地に赴いたのは、博士1年だった1993年。通算2年超の滞在で感じたのは、
現地の主食がサツマイモでタンパク質摂取が明らかに足りないのに、
多くの人が隆々たる筋肉を持つことです。
タンパク質の不足を補う細菌が彼らの腸内にいるのかも、と考えました。

腸内細菌を調べるには糞便から推定するしかありません。
次世代シークエンサーの普及を待って、調査に着手したのは2010年です。
長期滞在で顔見知りになった現地の皆さんに頼み込み、約200の糞便サンプルを集めました。
回収だけでも難儀ですが、山奥から運ぶのも大変。
嫌気性の細菌も多く、酸素を抜いた容器で冷却する必要があります。
帰国後に分析すると、日本人の腸内細菌とは大きく違い、約半数は未知の菌でした。

筋肉を形成するタンパク質の一部は大気中の窒素由来かもしれません。
大気中の無機窒素を人が利用することはできませんが、細菌はアンモニアに変えることができ、
それを餌にアミノ酸を作るものもいる。
アミノ酸なら人間が吸収して使えます。
パプアニューギニア高地人の腸内細菌はそうした窒素固定の機能を持ち、
老廃物をアミノ酸に変えて筋肉の材料にしていると考えられます。糞
便を移植した動物の実験ではおもしろい結果が出ましたが、
実際に人の筋肉の合成に繋がっているのかはまだわかりません。

腸内細菌と人類の共生関係が面白い
実はパプアニューギニアでも都会の人だと多くの腸内細菌が失われていました。
厳しい環境にいる人の腸内ではそれに対応する細菌が増え、
厳しくない環境にいると減るようです。
都市部の人はどこでも均質的な食生活を送っていますが、
僻地には都市と違う食生活を送る人がいる。

そこから腸内細菌と人間の面白い共生関係が見えてきます。
近年はラオスを中心に調べています。
多くの植物は毒を持ち、草食動物はそれを解毒する機能を持ちます。
200種以上の野生植物を食べるラオスの人たちが同様の解毒能力を持っていてもおかしくありません。
5つの村で700ほどの糞便サンプルを集めており、今後の分析が楽しみです。
去年調べ始めたのはどぶろくを朝食に摂るネパールの調査です。
エチオピアには酒が主食の地域もあります。
彼らの腸内細菌はアルコール中毒にならずに栄養を吸収する機能を持つはずです。
人の腸内では多様な細菌が小さな生態系を作り、食べ物のカスと人が出したゴミを餌に生きています。
そうして人類と細菌は共生してきました。
地域ごとにユニークな食文化と腸内細菌がある中、
食生活の均質化が進んで本来の適応システムが失われつつあることは、
健康や病気の基盤を考える上で重要です。人
類生態学の手法で食べ物と腸内細菌の関係を明らかにしたいと思います。

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◎    PM Marape accepts invitation to attend Pacific Islands leaders meeting
with Japanese PM (2024.4.30、Post Courier)

https://www.postcourier.com.pg/pm-marape-accepts-invitation-to-attend-pacific-islands-leaders-meeting-with-japanese-pm/
... Japan, from 16 to 18 July, 2024. The Prime Minister was personally hand-delivered the official invitation by Special Advisor to the Japanese Prime ...

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参加者募集】JICA地球ひろば 教師海外研修(教育行政コース)、
\パプアニューギニアでの教師海外研修/ (2024.4.30、GiFT)
   https://j-gift.org/39329/

GiFTが運営事務局を務めるJICA教師海外研修(教育行政コース)の
2024年度参加者募集が始まりました!

この研修では途上国を訪問し、JICAが実施する教育支援について深く学び、
参加者同士で意見交換を行います。
さらに、学校や地域で国際理解教育や開発教育を推進するために、
スクールリーダーとして何ができるかを考えます。
研修全体を通じて、学校管理職や教育行政に携わる皆さんとともに
「今、この時代に国際理解教育や開発教育を推進する意義」を考え、
学校全体での継続的な取り組みを目指します。
今年度の派遣国はパプアニューギニアです。全国の皆さまからのご応募をお待ちしています!
詳細・ご応募はこちら: https://j-gift.org/2024jica-hiroba-kyokaiken/

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◎    『ワールドツアー完璧MAP パプアニューギニア』/2021年6月6日(日) 24:30~24:55 (2024.5.1、BSフジ)
https://www.bsfuji.tv/himap/pub/papuanewguinea2020.html
この番組は南太平洋の秘境、パプアニューギニアの観光地のおすすめ情報を調査。
パプアニューギニアの首都、ポートモレスビー、イーストハイランド州の州都、ゴロカ、
熱帯の島、マダン、太平洋戦争で、旧日本軍の基地が置かれたラバウルをご紹介。
旅の情報を厳選して、解りやすくお伝えする。
観る <驚きの大自然と民族文化!>
・ポートモレスビーで、伝統的建築様式を取り入れた国会議事堂を訪問。
・ゴロカでは、独特の動きが不可思議なマッドマン達がお出迎え。
・マダンの海でダイビングやシュノーケリングで海の生態系を間近で観察。
・ハヤ村の歓迎の民族舞踊、シンシンに注目!
・ラバウルでは、太平洋戦争の痕跡を訪ねる。
買う <市場を散策!>
・ポートモレスビーのピーエヌジーアートの工芸品!
・色鮮やかな手編みの袋ビルムは個性的。
・マダンマーケットの貝を使ったアクセサリーは種類も豊富。
・パプアニューギニア名産と言えばコーヒー、ニューギニアブルーマウンテン。
泊まる <南国情緒たっぷり!>
・マダンリゾートは海を望む風景が素晴らしいホテル。
番組では、それぞれの観光スポットをくわしくお伝えする。

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◎    ソロモン、親中派が政権維持 緊張続く島しょ地域(2024.5.2、時事通信)
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2024050200882&g=int

 【シドニー時事】南太平洋の島国ソロモン諸島で2日、
与党連合のジャーマイア・マネレ前外相が新首相に就任した。
ソガバレ前首相の下で中国と緊密な関係を築いた与党陣営が政権を維持。
両国間で結ばれた安全保障協定を足掛かりに、
中国は太平洋島しょ地域で影響力を拡大させる可能性がある。
米中の覇権争いの最前線となっている同地域の緊張が続きそうだ。
 ソガバレ前政権は2019年に台湾と断交して中国と国交を樹立。
22年に安保協定、23年に警察協力協定を中国と締結した。
マネレ氏は外相としてこれらを推進した。
与党は4月の総選挙で、「北方政策」と称して中国との一層の関係強化を打ち出しており、
マネレ氏は親中路線を継続する見通しだ。近日中に閣僚を選任し、新政権を本格始動させる。

 中国は太平洋島しょ地域で、19年にキリバス、今年1月にナウルと国交を結んだ。
親米政権のパプアニューギニアなどとも経済関係の強化を進める。
ソロモンとの安保協定を巡っては、中身が不透明で、
中国が軍事拠点を構築するのではないかという疑念を西側諸国は抱いている。
米国は昨年、パプアと防衛協力協定を結んで対抗し、地域の地政学的緊張が高まっている。

 ソロモンの主要野党は、与党の親中路線について
「主権を危うくし、巨額の債務が将来に禍根を残す恐れがある」として、
過度な対中依存脱却を提唱。政権が交代していれば安保協定も見直される可能性があった。
マネレ氏は就任演説で「われわれは皆、
国民に奉仕するという究極の目的を共有している」と融和を呼び掛けた。
 ソガバレ氏が院政を敷く可能性が指摘される一方、
外交官として国連本部に派遣されたこともあるマネレ氏が西側諸国と関係を改善することへの期待感もある。
オーストラリアのアルバニージー首相は「ソロモン諸島は近い友人であり、
私たちの未来はつながっている」とSNSにつづった。

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◎    Minister Joseph hosts Japan Special Advisor (2024.5.2、 Loop PNG )
https://www.looppng.com/png-news/minister-joseph-hosts-japan-special-advisor-125828
Special Advisor to the Prime Minister of Japan, Hirotaka Ishihon on Tuesday 30 April, 2024,
paid a courtesy call on the Minister of Defence Dr.

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◎    資本主義を乗り越えるヒントは人類学が知っていた…
100年前、パプアニューギニアで行われていた「衝撃の贈与」(2024.5.5、講談社ホームページ)

https://gendai.media/articles/-/129286?imp=0
「人類学」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。
聞いたことはあるけれど何をやっているのかわからない、という人も多いのではないだろうか。
『はじめての人類学』では、
この学問が生まれて100年の歴史を一掴みにできる「人類学のツボ」を紹介している。
※本記事は奥野克巳『はじめての人類学』から抜粋・編集したものです。

「クラ交易」とは何か
「社会の骨組みを明確にするだけでは不十分だ。
参与観察に基づき、現地の人たちのありふれたやり取りも引っぱりだせ!」
という至言にたどり着いたマリノフスキは、それを自らのモットーとして民族誌を書き上げました。
『西太平洋の遠洋航海者』は「骨組み」と「血肉」が織り交ぜられた、みごとな民族誌に仕上がっています。

そんな中でも白眉と言えるのが、トロブリアンド諸島における「クラ交易」の描写です。
そもそもクラ交易とは、トロブリアンド諸島、ウッドラーク島、ミシマ島、ノーマンビー島、
ニューギニア島、ファーガソン島などを舞台に、
ニューギニア島の東に広がる海域の島々を結ぶ交換の制度を指します。

このクラ交易で交換されるのは、
上から見て時計回りに島々をまわる「赤い貝の首飾り(ソウラヴァ)」と
反時計回りに島々をまわる「白い貝の腕輪(ムワリ)」です(上写真)。
この2つのモノは、現地の人々にとってかけがえのない価値を持つ財宝(ヴァイグア)なのです。
クラ交易とはつまり、ヴァイグアが地図に示した島々を行き交う儀礼的な贈物交換の体系なのです。

 クラ交易には、いくつかの特徴があります。
例を挙げると、まず、それぞれの財宝の交換は同時ではなく時間をあけて行われること。
財宝を受け取るときは、もらう側の人間が相手の住むところまで出向いていかなければならないこと。
どんなに大変な思いをして財宝を手に入れても、それを「自分たちのもの」として所有してはいけないこと。
ヴァイグアは2年から10年の時間をかけて島々をゆっくり一周させること、などです。

西洋近代の「外部」へ
現代人である私たちの感覚に照らして考えてみましょう。
私たちにとって、「交換」とは相手に何か特定のモノを与えることで、
見返りとして自分の欲しいモノを手に入れる手段のことです。
その行動の動機は、交換によってお互いの利益を最大限に高めることです。
ですが、クラ交易はこの目的に当てはまりません。
せっかく手に入れた財をまた別の人に渡してしまうので、
自分の経済的利益を得ることにはならないからです。
また、あくまでもヴァイグアはヴァイグアとしか交換できないので、
貨幣のように他の何かを手に入れる手段としては使えません。
つまり、クラは、現代的な経済的価値という面から眺めるなら、
「なんでそんな意味のないことをするの?」というふうにも思えます。

クラは、現代的な経済現象の「外部」の制度です。でもそれは、
とても合理的な「仕組み」でできたものです。その島々に住む人々からすれば、
クラ交易によってヴァイグアが行き交うことで財の交換相手とのコミュニケーションが生まれます。
そして交換を数年かけてゆっくりと行うことで、
互いの関係を長期間にわたって続けることができるのです。
つまり、クラ交易は離れて暮らす複数の共同体を結びつけ、
衝突を避けるための「仕組み」でもあるのです。
その意味で、クラ交易は貨幣によって他者との関係を築こうとする資本主義社会にはない、
非常に興味深い行動様式だと言えます。
マリノフスキの描いたクラは、西洋近代の「外部」におけるひとつの贈与交換のモデルなのです。


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◎ 衣類”の根源とは何か? 古代の⽇本⼈が⾐服に込めた⼒を探るドキュメンタリー
『倭文(しづり) 旅するカジの木』予告編が公開!公開記念の特集上映会も開催決定(2024.5.7、
https://otocoto.jp/news/shizuri0507/
映像と⽂筆によって独⾃の「映像⺠俗学」を開拓し、
前作ではアイヌ民族の知られざる祭祀を記録したドキュメンタリー
『チロンヌプカムイ イオマンテ』(2021)を公開した北村皆雄監督。
その最新作は“なぜ人は衣服をまとうのか‥‥
化学繊維が人間の体を覆い尽くす現代に〈衣〉の神秘的な始源を探る
”ドキュメンタリー『倭文(しづり) 旅するカジの木』。この度、本作の予告映像が公開された。

「倭文(しづり) 」とは、古の神話や伝承に登場する謎の織物のこと。
聖なる力が宿るという倭文のルーツを辿るべく北村監督は、
中国南部を原産とする「カジの木」のルーツを遡り、台湾、インドネシアのスラウェシ島、
南太平洋パプアニューギニア、それぞれの地で受け継がれている織物を辿っていく。
さらに大駱駝艦を主宰する麿赤兒とアーティストのコムアイらが神話を再現するシーン出演。
なぜ人は衣服をまとうのか? 化学繊維、
ファストファッションが地球に与える影響の大きさが注目される今、
あらためて”衣類”の根源とは何なのかを考えさせられる作品となっている。
本編のナレーションはモデルの冨永愛が担当。

本作について、出演者コムアイは、「この映画は、⾐類の⼤量⽣産時代に、
⾐の本来持つべき⼒を、
倭⽂神の宿る⾐を復興させようとする取り組みだと思いました。」とコメントしている。
また、公開を記念して北村皆雄監督の傑作選として、
<初期3作品を含む8作品>の特集上映「聖なる俗 俗なる聖」も決定し、その予告編も公開された。
『倭文(しづり) 旅するカジの木』は5月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
1964年の処⼥作から最近作まで6プログラム8作品を上映する
「聖なる俗 俗なる聖」は、5月11日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて開催される。
作品情報
映画『倭文(しづり) 旅するカジの木』
幻の織物〈倭文〉とはなにか?それは織物の神の名でもあるという‥‥
日本の神話に秘められた大きな謎を解き明かす!
監督:北村皆雄
出演:麿 赤兒、コムアイ、大駱駝艦 / 語り:冨永 愛
制作・配給:ヴィジュアルフォークロア

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◎    石原内閣総理大臣補佐官のパプアニューギニア独立国及びナウル共和国訪問
(結果)(2024.5.8、外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/ocn/pageit_000001_00628.html

1 政府要人等との面会
(1)ジェームス・マラペ・パプアニューギニア独立国首相への表敬
マラベ首相と記念撮影を行う石原総理補佐官
 4月30日、石原補佐官は、ジェームス・マラペ・パプアニューギニア独立国首相
(Hon. James MARAPE, Prime Minister of the Independent State of Papua New Guinea)を表敬しました。

 石原補佐官から、二国間関係の強化やPALM10に向けた協力に関するマラペ首相宛ての総理親書を手交しつつ、
日本は、パプアニューギニアとの関係を重視しており、PALM10に向けて二国間関係を更に強化していきたい旨を述べました。
 これに対し、マラペ首相からは、日本はパプアニューギニアにとって非常に緊密な関係にある大切な友人であり、
ナザブ・トモダチ国際空港の開港は二国間の友好関係の象徴である、
パプアニューギニアとして日本のLNG調達に協力するとともに日本企業の関与にも期待を寄せている旨の発言がありました。

(2)ビリー・ジョセフ・パプアニューギニア独立国国防大臣との会談
ジョセフ国防大臣と記念撮影を行う石原補佐官
 4月30日、石原補佐官は、ビリー・ジョセフ・パプアニューギニア独立国国防大臣
(Hon. Dr Billy M. JOSEPH MP, Minister for Defense of the Independent State of Papua New Guinea)
との会談を行いました。

 石原補佐官は、PALM10に向けて日本政府として準備を進めていることを説明し、
パプアニューギニア及び地域の平和と安定のため、
安全保障・防衛分野における二国間協力を強化していきたい旨述べました。
また、日本とパプアニューギニアの間で自衛隊による
パプアニューギニア国軍の能力構築支援を始めとした様々な協力が進んでいることを歓迎しました。

 これに対し、ジョセフ国防大臣からは、本年3月の東セピック州での
地震及びハイランド地方を含む広域の洪水・地滑り被害に対する
日本の緊急援助支援に対するお礼が述べられるとともに、
日本との特別な関係は防衛協力分野での礎になっているとして、
パプアニューギニアに対するこれまでの日本の支援に感謝する旨の発言がありました。
 また、両者は、防衛分野での今後の更なる協力について議論を深め
、変化する地域情勢等についても意見交換を行いました。

(3)エリアス・ラフロモ・ウォヘング・パプアニューギニア独立国外務次官との会談
ウォヘング外務次官と記念撮影を行う石原総理補佐官
 5月1日、石原補佐官は、エリアス・ラフロモ・ウォヘング・パプアニューギニア独立国外務次官
(Mr. Elias Rahuromo WOHENGU、Secretary, Department of Foreign Affairs of
the Independent State of Papua New Guinea)との会談を行いました。

 石原補佐官から、パプアニューギニアは、太平洋で結ばれた大切な友人であり、
共通の価値と原則を共有する重要なパートナーであり、
日・パプアニューギニア外交関係樹立50周年に当たる来年に向けて、
貴国との「キズナ」を一層強化していきたい旨述べました。
また、本年3月の東セピック州での地震及びハイランド地方を含む
広域の洪水・地滑り被害に対しお見舞いを述べました。
 これに対し、ウォヘング外務次官からは、日本は共通の課題に取り組む太平洋の隣国であり、
今後も協力していきたい旨述べるとともに、これまでの日本の協力に対する感謝の発言がありました。
 また、両者は、PALM10に向けて協力を進めていくことを確認するとともに、
変化する国際情勢について意見交換を行いました。
2 日本による協力案件の視察

(1)ポートモレスビー下水道整備施設視察
下水道整備施設を視察する石原総理補佐官
 5月1日、石原補佐官は、日本の有償資金協力により2019年に完成したポートモレスビー下水道整備施設を視察し、
同施設が周辺地域への下水道サービスの提供及び沿岸海域への汚水流出の抑制を図り、
住民の生活環境改善及び産業活性化に極めて重要な役割を果たしていることを確認しました。

(2)パプアニューギニア国立博物館視察
国立博物館を視察する石原総理補佐官
 4月30日、石原補佐官は、パプアニューギニア国立博物館を視察しました。
日本は、同美術館に対し、令和4年度一般文化無償資金協力により
博物館所蔵品・映像・音声資料等をデジタルアーカイブ化するための協力事業を実施しています。

3 在留邦人との意見交換
 4月30日、石原補佐官は、在留邦人と面会し、日パプアニューギニア関係強化への貢献に謝意を表明しつつ、
二国間関係やパプアニューギニアにおける課題等について意見交換を行いました。
<他の訪問国のニュースは、URLから閲覧願います>

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◎    父母の無念、今も胸に刻んで  戦没者眠る南の島へ通う
【生き抜く】「遺骨収集」(2024.5.9、毎日新聞)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024050900423

 うっそうとしたジャングルだった。太平洋戦争中に東部ニューギニア
(現在のパプアニューギニア)で父を亡くした森本浩吉(82)は、
戦没者の遺骨を探していた。巨木の下から見つかった全身の骨。折り重なっていたのか、次々と。
 2003年、初めて遺骨収集に参加した。冷たい土から丁寧に拾い上げる。
「父だろうか。父とすれ違った方だろうか」。そんなことを考えた。
 ▽戦死公報
 森本は1941年、今の韓国・ソウルで生まれた。1歳1カ月の時、父の利雄が南方へ出征した。
「浩吉は大きく成長したことだろうね」。家族を思いやるはがきが3通、戦地から届いた。
 1945年8月に終戦。母のハツは、森本とその妹を連れて父の本籍地、津市に引き揚げた。
森本が持たされた人形にいくばくかのお金を隠していたが、引き揚げ船でいつの間にか奪われてしまった。

 翌1946年6月に戦死公報が届いた。衛生兵だった父は1944年12月に亡くなっていたのだ。
森本は当時を覚えていない。だが「信じて帰りを待っていた母は、幼子2人を抱えてどんな思いだったろうか。
死ぬことも考えたかもしれない」と想像する。
 母の弟のいる長崎県に転居し、母は町役場で働き始めた。6畳と3畳の2間の引き揚げ者住宅で暮らした。
風呂はなく、近所に借りに行く。2玉のうどんを3人で分けた日もあった。

 ミカン箱で作った父の仏壇に向かい「今日も一日過ごせました」と朝晩、家族で報告する。
母は必死で働きながら、身なりだけはきちんとしなさいと、靴についた汚れを歯磨き粉で落としてくれた。
「父親のいない家庭の子だからと他人に言われないように」が口癖だった。「
父は国のため、家族のために亡くなった。誇りを持っていた」
 森本は高卒で就職。いち早く自立しなければという思いがあった。
 ▽慰霊巡拝
 工場勤務や出向、単身赴任も経験した。
定年が迫った頃、住んでいる神奈川県の広報紙でパプアニューギニアへ慰霊巡拝に行けると知る。
父の眠る旧戦地だ。

 2001年、59歳で初めて現地へ。飛行機から降り「おやじ、来たよ。浩吉です」とつぶやく。
父が亡くなったとされるボイキン地区にまで足を延ばした。
 現地の石を持ち帰り、横浜市の病院に入院していた母に握らせ、ボイキンの写真も見せた。
母は「うん、うん」とうなずき、泣いた。2001年7月、88歳で母は逝った。
「本当は、大好きだった父が亡くなった場所に行きたかっただろうに」
。2年後、再びボイキン訪問の機会があると知る。今度は遺骨収集のためだ。
 ▽つえ持参
 それまでずっと父の遺骨は戻らず、形見は自分ら遺児だと思っていた。
だから初めての遺骨収集に、出征前の父が森本を抱く写真を持参した。
 2班に分かれ、森本は野戦病院跡とされる現場へ。毎日、倒木をくぐり、川を渡って通った。
「父はこの道を歩いたかな。この川の水を飲んだかな」。父と共に歩いているような錯覚を覚えた。
 ある時、収集に協力してくれる現地の住民に「森本を知っているか」と尋ねた。
すると高齢の男性が「シッテル、シッテル、ドクター!」と答えた。
適当に合わせているだけかもしれない。でも父は衛生兵だ。「優しい父のことだ。
常に衛生兵のかばんを持ち、村の人に赤チンを塗ってあげていたのかな」。
そう考えると涙がこぼれた。この辺りで生きていたことを確かめられた気がした。
 この収集派遣では123柱の遺骨を日本に持ち帰った。
誰の遺骨か分からないまま、遺骨箱の一つを抱きしめた。

 遺骨収集事業の人手が足りないと相談され、多い時で2~3カ月に1度、訪れるようになった。
妻(80)には「また行くの?」と言われるが、使命感がある。
 長男の貴彦(56)は森本の熱心さに驚いた。「そんなに思い入れがあったんだ…」。
仕事一筋だった現役時代の姿からは想像できない。

 壁にぶつかることも多い。地権者同士の争いで収集が止まる。
遺骨がどこにあるかという情報が減っていく。
2019年にはロシアなどで収拾した遺骨の取り違え問題が発覚し、日本に持ち帰れる遺骨の基準が厳格化した。
そして新型コロナウイルス禍で約2年間、派遣が止まった。
 「可能な限り現地に行き、骨を探したい」。そう願うが、体力の限界も迫る。
2023年10月、慰霊巡拝でボイキンを再訪問。
パプアニューギニアには通算40回通ったが、初めてつえを持参した。

 父だと分かる遺骨はまだ見つからない。
「この先、100年続く事業ではないと思う。
遺骨収集が終わっても、戦争で亡くなった人がいたこと、自分のような遺児がいたことは忘れてほしくない」
 【もっと知るために/多数の遺骨残る悲惨な戦場】
 日中戦争以降の戦没者は約310万人。
中でも東部ニューギニアは「生きて帰れぬ」「死んでも帰れぬ」などと言われた悲惨な戦場だった。
政府は1952年度から、国内外の戦没者の遺骨収集事業を始めた。

 パプアニューギニアでの収集を主に担う「東部ニューギニア戦友・遺族会」の平山一美(81)は
当時の戦闘や行軍の状況から、
旧日本軍の将兵は敵に見つかりにくい密林や湿地を徒歩で何百キロも移動しており
「どこをどのように行動したか定かではない」と語る。
現地の伝聞情報を頼りに収集に当たるが、戦時にあった集落が移転していたり高齢化が進んでいたりと、
困難な状況が続く。
 厚生労働省によると2024年2月末現在、パプアニューギニアに約7万6千柱が残されている。
 (敬称略/文は共同通信大阪社会部記者・中川玲奈、写真は共同通信編集委員・今里彰利/年
齢や肩書は2024年4月6日に新聞用に出稿した当時のものです)

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◎ 島嶼国に海自特殊部隊を初派遣へ 対中念頭、不審船対応で能力支援(2024.5.9、朝日) https://www.asahi.com/articles/ASS583Q7GS58UTFK001M.html
 海上自衛隊の護衛艦などが南シナ海や南太平洋をめぐって各国と共同訓練などをする部隊派遣で、
今年は不審船対応を担う特殊部隊「特別警備隊」が初めて参加する。

中国が影響力を強めていることを念頭に、
不審船への立ち入り検査のノウハウを伝え、安全保障面で島嶼(とうしょ)国などへの関与を深める狙いがある。

 海上自衛隊は2017年から毎年、インド太平洋地域の各国海軍などと連携強化を図る
「インド太平洋方面派遣(IPD)」を実施。今年は過去最大規模とし、
今月から12月にかけ、計8部隊・1700人超を順次、インド太平洋地域に派遣する方針だ。
海自部隊は、米豪印比やパプアニューギニア(PNG)といった太平洋島嶼国など計14カ国・地域への訪問を予定している。

 今回初参加の特別警備隊は海上警備行動が発令された場合、
武装して不審船に乗り込み、立ち入り検査や武装解除を行う役割を担う。
1999年に能登半島沖で不審船を逃した事案を契機に、2001年に海自初の特殊部隊として創設された。
防衛省によると、拠点は広島県江田島市で、所属隊員は約90人。
小銃や拳銃などの小火器を装備し、命令があればヘリなどで現場海域へ急行。
海自の「精鋭」と位置づけられ、秘密が多く、訓練公開はまれだ。

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◎「ヤマサキカズラ」に開花の兆しあり (みずの森) (2024.5.9、
https://www.city.kusatsu.shiga.jp/citysales/koen/mizunomori/yamasakikazura.html
珍しい花 開花の兆し
平成30年にみずの森で国内初開花、
今回開花すれば4回目(3年連続)となるヤマサキカズラに蕾を2個確認しました。
ヤマサキカズラって?
ヤマサキカズラは、ヤマサキ水草園の代表山崎三津夫氏が1982年(昭和57年)10月13日、
パプアニューギニアのウェワックにて発見された
サトイモ科のツル性植物で、
花が仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉苞(ようほう)に包まれるのが特徴です。
仏炎苞に包まれた中央の棍棒状の部分が本当の花で肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれます。
2002年(平成14年)に山埼氏によってみずの森アトリウム(温室)に約15センチメートルの苗が移植されました。
その後、栽培を続け2018年(平成30年)6月7日、国内初開花を記録しています。
植物の詳細
名称 ヤマサキカズラ
科名 サトイモ科
原産 パプアニューギニア
展示場所 ロータス館アトリウム
開花予想 5月上旬から中旬 注記:詳しい開花状況は、
みずの森までお問い合わせください

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◎    経営難で国際線運休=バヌアツ航空(2024.5.9、時事通信社)
https://sp.m.jiji.com/article/show/3231828
【シドニー時事】南太平洋の島国バヌアツの国営バヌアツ航空は9日、
経営難を理由に国際線の運航を停止した。少なくとも12日まで運休を続ける。
バヌアツ政府は同社の破綻処理の検討に入った。AFP通信などが報じた。
 同社は首都ポートビラを拠点に、オーストラリアやニュージーランド、
パプアニューギニアなど島しょ国との間で国際便を運航してきた。
運休が長期化すれば、主力産業の観光などに大きな影響が出そうだ。 [時事通信社]

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◎    加藤国際大学副学長によるJICAチェアの講義(2024.5.1、JICAパプアニューギニア事務所)
https://www.jica.go.jp/overseas/png/information/press/2024/1537146_52907.html

パプアニューギニアでは、日本の近代化・開発経験を学ぶ機会を提供する「JICAチェア」
をUniversity of Papua New Guinea(UPNG)を拠点に行っています。
当国では今年で3回目となるJICAチェアを2024年5月1日に行いました。
国際大学副学長の加藤教授が来訪し、UPNGの約180名の学生と教員等を対象に、
日本の近代化を中心とした復興の歴史と発展の要素、またPNGと日本の関係、
そして援助実施国としての日本の国際協力の方針等について講義を行いました。
この講義には、オンラインでDevine Word UniversityとUniversity of Technologyの関係者も参加しました。
5/2には加藤副学長はJICA協力隊員が活動するセントラル州のソゲリ小学校に訪問して、
同校の教員やソゲリ国立高等学校の生徒などにも講義を行いました。
JICAはパプアニューギニアの未来を担う人々のために、引き続き、
教育の質の向上や両国の関係強化に繋がる活動を続けていきます。
JICA PNG事務所の最新の活動やイベント情報はフェイスブックでもご覧いただけます。(英語) 
JICA Facebook Page

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