vol.383(10月10日)
★★・‥…―━━━―…‥・・‥…―━―…‥・・‥…―━━━―…‥・★★◎ <解説>太平洋島嶼国が抱える安全保障上の問題(2024.10.1,防衛省/防衛白書)
https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/html/nc008000.html
太平洋島嶼国は、南太平洋に位置する14の島国の総称で、
広い排他的経済水域を有していることから豊富な水産資源の供給地であり、
エネルギー資源の輸送ルートにあたるなど、わが国にとって重要な地域です。
一方、他地域から離れていることや国土が狭く分散していることから、
様々な制約や脆弱性を抱えており、また、3か国を除いて自国の軍隊を有していません。
こうしたなか、気候変動を安全保障上の唯一かつ最大の脅威と位置づけており、
海面上昇による国土消失や自然災害の規模拡大を深刻視しています。
これらの国は従来、米国・オーストラリア・ニュージーランドと深い関係を有していますが、
近年、中国のアプローチ活発化により、大国間の地政学的競争が顕在化してきています。
例えば、中国がソロモン諸島との間で、
中国の警察・軍の派遣や艦艇の寄港・補給が可能となる内容を含むとされる安全保障協力協定を締結した一方で、
米国はパプアニューギニアとの間で、
同国の港湾や空港に米軍がアクセス可能となる内容を含むとされる防衛協力協定に署名しました。
さらに、中国が大規模インフラ整備や病院船派遣などを通して影響力拡大を模索する中、
米国は、既存の軍事プレゼンスの維持・拡大を試みるなど、この地域への関与をめぐる米中間の競争が注目されています。
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◎ 「え、格納庫から“宗教界の要人”が!?」
豪軍がC-130輸送機で移動を支援することになった理由は(2024.10.2、乗り物ニュース)
https://trafficnews.jp/post/135288
オーストラリア空軍は2024年9月28日、
バチカンのフランシスコ教皇の移動を支援した際の集合写真を公式Xで公開しました。
この集合写真はフランシスコ教皇が、
パプアニューギニアのポートモレスビーからインドネシアとの国境に近いバニモへの空路での移動を、
オーストラリア空軍の第37飛行隊と第3航空医療避難飛行隊が支援した際に撮られたものとのことです。
バニモのインフラ事情や、教皇が使用する車いすやほかの備品を運ぶ関係から、
不整地での着陸能力と搭載力が高いオーストラリア空軍のC-130「ハーキュリーズ」が
フランシスコ教皇の移動を支援したようです。
同地は、パプアニューギニアでも熱心なカトリック信者が多い地域となっています。
公式Xでオーストラリア空軍は「第37飛行隊と第3航空医療避難飛行隊の職員は、
航空移動支援を提供しながら教皇フランシスコと面会するまたとない機会を得た。
なんと素晴らしい栄誉でしょう!」と投稿しています。
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◎ Japan Funds New Waste Management Facility and X-Ray Machine for Kupiano Hospital(2024.10.3、 Post Courier)
https://www.postcourier.com.pg/japan-funds-new-waste-management-facility-and-x-ray-machine-for-kupiano-hospital/
Ambassador Watanabe highlighted the importance of proper waste management in healthcare settings and emphasized Japan's commitment to supporting the ...
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◎ 旧日本陸軍大将・今村均はマッカーサーも「真の武士道」と認めた人格者だった
(2024.10.4、武将ジャパン)https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2024/10/03/53342/3
【こちらは3ページ目になります。1ページ目から読む場合は<今村均>をクリックお願いします。】
そのまま終戦を迎えた今村は、戦勝国によって軍法会議にかけられます。
一時は死刑判決が下りそうだったのに、現地住民らの弁護があり、禁錮10年で済みました。
連合国側では死刑にしたかったようです。
それが、あまりにも住民に慕われていたので
「今村を処刑してしまうと彼らの蜂起につながる恐れがある」と判断されたようで。
ラバウル以外でも、インドネシア独立活動をしていた人々が救出作戦を立てていたといいますから、
今村の温情は何年経っても忘れられていなかったのでしょう。
その後は巣鴨拘置所(通称・巣鴨プリズン)に送られ、10年過ごすはずでした。
が、旧日本軍のうち、裁かれた人が全員帰国したわけではありません。
南方で服役している人たちもたくさんいました。それを知った今村は
「自分だけ日本にいることはできない」として、自らパプアニューギニアのマヌス島刑務所へ送ってくれと言い出します。
しかもただ看守に言ったのではなく、妻を通してGHQ最高司令官であるダグラス・マッカーサーに訴えたのでした。
これを聞いたマッカーサーは「これこそ真の武士道だ」と感じ、すぐに許可を出したといいます。
マヌス島にいた元部下たちも、今村を大歓迎したとか。
苦しいところに自らやってきてくれる上官なんてほとんどいませんし、もともと慕われていたでしょうしね。
10年間の刑期を終えた後、今村は再び日本に戻ってきました。
それからも自責の念は止まず、自宅の片隅に小屋を建て、自ら謹慎を続けていたそうです。
収入は軍人恩給だけでした。
今村は回顧録を出版して印税を得ていますが、それは戦死や刑死した者、生きて返ってきた者問わず、
元部下のために使っています。
中には嘘をついて今村に金をせびる者もいたそうですが、そうと気付いても拒まなかったとか。
軍を指揮していた側として、例え部下でなくても戦争のせいで困窮することになってしまった人々に対し、
責任を感じていたのでしょう。薬で自決しようとしたこともあるそうですから。
亡くなったのは刑期を終えてから14年後、昭和四十三年(1968年)のことでした。
82歳ですし、特に記録もないので、おそらくは穏やかに老衰で亡くなったものと思われます。
若い頃には自らの体質、長じてからは旧軍の体制、そして戦後は良心の呵責と向き合った人生でした。
戦場を職場と置き換えて考えてみると、これほど「理想の上司」という言葉が似合う人もいないように思えます。
もちろん人間ですから、今村にも多少の欠点はあったことでしょう。
しかし、当時の状況下で思いやりの心を忘れなかったこと、生存した上官としての責任を果たしたことは紛れもない事実です。
旧軍や「戦争に学ぶ」というとひたすら悪い部分しか報道されませんが、
こういった人格者から学べることも多々ありますよね。
事実を伝えるのなら、欠点や悪事ばかりではなく、今村のような立派な人物についても広めるべきではないでしょうか。
個人的には「責任の取り方」の代表例として道徳の教科書に載せるべきだと思うんですけど、ダメですかね。
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◎ 浦和大学副学長で現代社会学科教授の豊田先生が国際サゴシンポジウムに招待され、
現地紙で紹介されました(2024.10.4,浦和大学)
https://www.urawa.ac.jp/urawa-info/facultyofsociology/10232
2024年9月23日から25日にかけて、マレーシアのサラワク州クチンにあるサラワク
熱帯泥炭研究所で開催された第15回国際サゴシンポジウムに、
本学副学長・社会学部現代社会学科の豊田由貴夫教授が参加しました。
第15回国際サゴシンポジウムは、
「Unlocking the Potential of Sago Palm: Towards Sustainable Food Systems and Environmental Restoration」をテーマに、
サゴの潜在力の解明とともに、持続可能な食料システムや環境回復についての発表や討論が行われました。
このシンポジウムにおいて、豊田教授は基調講演者の1人として、サゴヤシ学会セッションに登壇し、
パプアニューギニアにおけるサゴデンプン利用拡大の支援について講演を行いました。
シンポジウムに先駆けて、23日夜に行われたアイスブレイキングセッションに参加する豊田教授の様子が、
ボルネオポストで紹介されています。
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◎ 中国と豪州が火花を散らす 太平洋島しょ国への「警察外交」(2024.10.9、Yahoo/
毎日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c5d58e43baf1a982bf158e2433bfb06e74bfb9cb
パンダを贈り、ドリアンを買い占め、水産物の輸入を止める。
中国が各国に繰り出す外交カードはさまざまだが、
南太平洋の島しょ国地域では「警察外交」を巡ってオーストラリアと火花を散らす。
小さな島国でなぜ今、警察が外交の切り札になるのだろうか。
「新たな時代を作る必要がある」。
中国の警察部門などを担う王小洪公安相は9月、
福建省で開かれた中国と太平洋島しょ国との警察協力に関するフォーラムでそう呼びかけた。
新華社通信によると、王氏は、中国と島しょ国の間で
「相互利益となる治安部隊の連携や安全保障協力が必要」だとし、
島しょ国地域が「熟練した」警察組織を構築するため、支援の用意があると述べた。
王氏の発言は、8月に豪州が太平洋島しょ国との間で合意した警察支援プログラムに対抗したとみられる。
予算4億豪ドル(約400億円)のこのプログラムは、域内に四つの警察訓練センターを設立することや、
災害救助などを念頭に複数の国による警察派遣の仕組みを構築することなどが盛り込まれている。
中国は2022年4月、ソロモン諸島との間で、
将来的に中国軍の駐留を可能にするとされる安全保障協定を締結。
24年1月にはパプアニューギニアと警察協力で交渉していることが明らかになった。
豪メディアは自国の警察外交について「域内で中国の軍事・警察に関する影響力を抑えるための一矢だ」と報じた。
しかし、警察など治安機関に対する支援は、太平洋島しょ国が喫緊に求めるものでもある。
暴動が続いたソロモン諸島などで他国による警察や軍の派遣が実施されてきたが、
域内ではここ数年で薬物関連の犯罪が急増しているからだ。
重要な海上交通路(シーレーン)である島しょ国周辺は、国際的な違法薬物の密輸ルートとなっている。
フィジーのメディアによると、薬物関連犯罪の摘発は13年に約200件だったが、20年には1500件以上に増加した。
トンガでも薬物犯罪に死刑を適用することが議論されている。
ハワイ大太平洋諸国研究センターのタシシアス・カブタウラカ准教授は、犯罪の増加により、
気候変動対策に重きが置かれてきた島しょ国の安全保障の概念が変わりつつあると指摘。
「警察力の強化を必要とする島しょ国のニーズに中国が積極的に応え始めたことで、
地政学的な争いが加速している」と説明する。
その上で、新疆ウイグル自治区や香港などでの人権弾圧を例に
「(中国の抑圧的な警察手法は)太平洋島しょ国にそぐわない。
装備品の供与などに支援を限定する必要がある」と話した。【バンコク石山絵歩】
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◎ 〔パプアニューギニア〕テレビ番組のお知らせ「NHKワイルドライフ」(2024.10.7、PIC)
https://pic.or.jp/topics/9850/
10月7日(月)19時半から「NHKワイルドライフ(BS)」にてパプアニューギニアに関する番組が放映されます。
どうぞご覧ください!
<放送は終了しています。NHKオンデマンドで登録すると、220円で携帯で見られるようです。>
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