メルマガ・広報誌

vol.393(1月20日)

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「人間爆弾」桜花の歴史を継承 戦争で父を失った84歳の思い(2025.1.13、Yahoo/毎日新聞) 
https://news.yahoo.co.jp/articles/87c7e320cc5cfd10988a30684e5894f9d443b94c

 太平洋戦争末期、旧日本海軍の特攻兵器「桜花(おうか)」の訓練が、現在の茨城県鹿嶋市で行われていた。
桜花は全長約6メートルの1人乗りで、上空で飛行機の下から切り離され、
1・2トンの爆弾を抱えて敵艦への体当たりを狙う。着陸機能はなく、生還できないため、「人間爆弾」と呼ばれた。

   現在の日本製鉄東日本製鉄所鹿島地区の構内にはかつて神之池(ごうのいけ)海軍航空基地があり、
秘密裏に桜花の訓練が行われていた。生家が基地の近くにあった郡司文夫さん(84)は、
農作業を手伝ってくれた桜花の訓練生と幼い頃に遊んだ記憶がある。

   1991年、住友金属工業(当時)が鹿島製鉄所の構内にある、
軍用機を敵の空襲から守る掩体壕(えんたいごう)を取り壊すという話が浮上した。
郡司さんは県遺族連合会の会員だったこともあり、
住金側に保存を働きかけ、住金は桜花の訓練地だったこの周辺を桜花公園として整備した。
93年から郡司さんが中心となって毎年8月に慰霊祭を開催してきた。

   公園完成と同時期、桜花の歴史を継承し、慰霊祭に集まった遺族や元隊員らが交流できる場を作るため
、郡司さんは私財を投じて鹿嶋市平井に平屋建ての資料館「特攻桜花記念館」を建設。
資料の展示やシンポジウムなどを開き、活動の拠点となってきた。全国から元隊員の証言や資料などが集まり、
犠牲になった隊員ら数十人の名簿も作成した。
   郡司さんが約30年、慰霊祭や歴史の継承に取り組んできたのは、22歳で戦死した父・年男さんの存在がある。
郡司さんの物心がつく前に父は徴兵され、旧陸軍の工兵として出征し、激戦地のパプアニューギニアで戦死した。

 戦地から帰ってきた骨つぼには石ころ一つだけ。納得できず80年代には遺骨収集事業に参加し、
家業の合間を縫ってパプアニューギニアに計4回渡った。
   活動の原動力は幼い頃、女手一つで育ててくれた母とよさんだった。
夜中に一人ですすり泣く母を見ていたからだ。
「戦争未亡人としての弱みは見せなかったが、(夫の)命を奪った戦争のやるせなさを抱えていたんだろう」と振り返る。  
記念館の開館から30年以上がたち、亡くなる遺族も多く、慰霊祭の参列者も減った。
「戦後80年、日本が戦争に巻き込まれず、大きな内紛もなく過ごすことができた。
この記念館も役割を終える時なのかもしれない」。
郡司さんは記念館の「終活」を考え始めていた。【川島一輝】

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◎    世界の食料危機を救うかも!? 
名古屋大と東南アジア、4000キロをつなぐ挑戦(2025.1.14、中日新聞)


 世界の食料危機を救うかもしれない食材として、でんぷんが豊富な熱帯植物のサゴヤシに注目が集まっている。
これまで原産地の東南アジアでは、経済性が高いアブラヤシに栽培が偏り、
サゴヤシの栽培技術や知見は乏しかった。
この課題解決に、4千キロ以上離れた日本の名古屋大が中心となって力を貸している。
取り組みは国連プロジェクトとして発展し、効果的な栽培法の伝授などが進む。
名古屋市千種区の名大にある温室で、100本近いサゴヤシの苗が育つ。
人工的に洪水や塩害の状況を再現して生育への影響を研究し、発芽時期の均一化などにも取り組む。
「野生植物は発芽時期にばらつきがあり、サゴヤシも1日で発芽するのもあれば、長いものでは1年かかる」。
研究を主導する同大大学院の江原宏教授(62)=作物学=はこう説明する。
 「研究分野のニッチさにひかれ」、江原教授がサゴヤシの研究を始めたのは約40年前の大学時代。
インドネシアなど原産国に何度も訪れるなど地道に研究を続けた。
これまでに発表したサゴヤシ関連の論文は100本近く。
発芽のメカニズムを世界で初めて発見するなど、人工栽培技術の確立に道筋をつけた。
<このサイトは、有料であるため、記事の途中までしか掲載できていません>

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◎    ソゲリ小学校の生徒がHERALBONY Art Prize 2025に挑戦!多様性と創造性が輝
く作品(2025.1.17、JICA PNG事務所)
https://www.jica.go.jp/overseas/png/information/topics/2024/1560387_52908.html
ソゲリ小学校のアプタくん(14歳)とマシアさん(14歳)が、
国際的な美術コンテスト「HERALBONY Art Prize 2025」に応募しました。
このコンテストは、障害のあるアーティストたちの才能を称え、その個性を広く発信することを目的としたものです。

アプタくんとマシアさんは、担任の先生や保護者から「学び方に特徴がある」と言われています。
 二人は算数や語学が苦手で、学習スピードがゆっくりですが、その特性に寄り添った学びが進められています。
絵を描くことは二人にとって大切な自己表現の手段であり、思いを込めて取り組んでいます。
 内山さん(青少年活動)が、環境保全をテーマにした授業で図画制作を行った際に、二人の才能が発見されました。
彼らの自由な発想や独特な感性が授業中に光り、今回の美術コンテストへの応募に至りました。
今回応募した作品には、彼らの独特な感性や豊かな色彩感覚が存分に詰まっています。
応募前に内山さんが二人に感想を尋ねたところ、次のようなコメントをもらいました。
 アプタくん:「私の絵を通じて、いろんな国の人とつながれたらうれしいです。」
マシアさん:「ふるさとを大切に想う気持ちやソゲリの美しい自然が世界中の人へ伝わるとうれしいです。」
 また、二人は「私たちは普段絵を描く機会はあまりないです。
絵画展を通して自分の想いを絵で表現することができてとてもうれしいです。」と述べ、
今回の挑戦が彼らにとって特別なものであることを語ってくれました。
 内山さんは二人の作品について次のように感想を述べています。
「ふるさとへの愛着や美しい自然を守っていきたい気持ちが色鮮やかに表現されていて感銘を受けました。
彼らの作品には、多くの人に伝えたい想いが詰まっていると感じます。」
 Heralbpny Art Prize 2025を通じて、アプタくんとマシアさんの作品がどのような反響を得るのか、
そして彼らの未来がどのように広がっていくのか、多くの人々が期待を寄せています。

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◎    失敗したら「ゴミ人間」と見なされる…パプア・ニューギニアで行われた「過激なプレゼント交換」
https://news.livedoor.com/article/detail/27960419/
遠い地域の文化がなぜ似ているのか、これは文化人類学における一つの究極的な謎である。

百年以上にわたり、文化人類学者たちは諸地域の文化を記述し、それらの間に構造的なパターンを見出してきた。
筆者は、よく似た文化が生まれるのは、人間が社会を作る限りにおいていつでも成り立つ、
「文化を生む仕組み」があるからだと考える。
筆者は、よく似た文化が生まれるのは、人間が社会を作る限りにおいていつでも成り立つ、
「文化を生む仕組み」があるからだと考える。

数理モデルのシミュレーションによって、
人間文化に普遍的な構造を生む仕組みを探求する普遍人類学の試みを紹介する。

もらったものより大きい価値のものを贈り返す
前回見たように、贈り物の価値は単に金銭的な価値のみにあるのではない。
金銭的な価値が小さいものでも、相手を思って贈ったものであれば大きな価値を持つことがある。
大切な人からの贈り物には「お金で買えない価値」がある、ということだ。
また、見栄を張って相手からもらったものよりも金銭的な価値が大きなものを贈り返せば、
その分だけ、相手から尊敬を得たり、社会関係上で優位に立ったりすることもできる。
このような、金銭的な価値と社会関係上の価値が混ざり合う交換を社会的交換という。

文化人類学では、贈り物を受け取ってから一定期間内に、より価値の大きなものをお返しできなければ、
受け取った人が「借りを返さない、取るに足らぬ人間」とみなされて名声を失ってしまうような慣習が知られている。
こうした、利子をつけたお返しをできなければ評判を落とすことになってしまうような社会的交換は「競覇的な贈与」と呼ばれている。
今回は、競覇的な贈与によって引き起こされる社会変化について説明する。

アメリカ先住民で見られた「お返し文化」
競覇的な贈与の最も有名な例はアメリカ先住民による「ポトラッチ」である。ポトラッチとは冠婚葬祭などの宴会において、
主催者が来客に装飾品や毛皮を与える慣習のことだ。豊かな首長たちは他の首長たちを宴会に招いて、
毛皮や銅製の楯などの貴重品を贈与する。
特に、ヨーロッパ系の人々との接触以後、ものが豊かになったために、ポトラッチもある種インフレして、
宴会において、来客の前で貴重な品を破壊することで見栄を張ることもあったそうだ。
ここで、贈与をすることは贈り手の気前の良さの証であり、首長たちは贈与によって名声を獲得していた。

しかし、それと同時に贈与は受け手にお返しの義務を押し付けるものでもある。
ポトラッチにおいて重要なのは、贈与が公衆の面前で行われることだ。
誰が誰に借りを負っているのか、全員が知っているのだ。

彼らの社会において、贈り物をもらったならお返しをするのが当然である。
そのため、借りを負っている来客たちには、
数年以内に同様の宴会を開いてお返しのためのポトラッチをすることが期待される。

それだけでなく、お返しの宴会が開かれるまでに少なからず時間が経っているので、
贈られたものよりも多くのものをお返しして初めて対等とみなされる。
いわば、利子を払わなければならないのである。

このような慣習は実は他の地域の社会にも見られる。
一つがパプア・ニューギニアのハーゲン山の近くに住む人々の「モカ」という慣習である。

モカでは首長が他の首長に対し、豚や真珠を与える。
受け取った首長は数年のうちに、2倍近くの価値があるものをお返しせねばならないという規則が存在する。

どちらの例においても、贈与とお返しを通じて、人々は関係を深めていく。
しかし、お返しの義務を果たせなかった者は名声を失ってしまう。
モカにおいては返礼に失敗した人は「ゴミ人間」を意味する“rubbish man”と呼称され、以降、
公平な取引を受けられなくなってしまうという。
こうした贈与とお返しの慣習は権力構造とも密接に関係している。

ポトラッチでもモカでも、首長たちは贈与によって、お互いにお返しの義務、
すなわち負債を押し付け合うことで覇権争いをしている。
義務を果たせなかった首長は脱落し、負債を抱えさせた首長は名声を高める。
このように覇権の競争をしているから「競覇的」というわけだ。
贈り物に対する感謝を断るイヌイットのハンター
デンマークの探検家ピーター・フロイヘンがグリーンランドのイヌイットと生活を共にした時の報告には、
以下のような興味深い記述がある。フロイヘンが狩りで得た肉を分けてくれたハンターに感謝を示そうとした際、
フロイヘンの言葉を遮ってハンターがこう言ったそうだ。

「私たちは人間だ! だからこそ、人間としてお互いに助け合うのだ。
そのことに対して誰かに『ありがとう』と言われるのは好まない。
今日私が手に入れたものを、明日はあなたが手に入れるかもしれない。
私たちの国では『贈り物によって奴隷を作り、鞭によって犬を作る』と言うのだ。」
もし、フロイヘンが分けてくれた肉に対して、感謝を述べてしまえば、肉は「贈り物」と見なされる。
すると、受け取ったフロイヘンには負債が発生する。
そして、もし彼が負債を返せなければ奴隷になってしまうというわけだ。
鞭を打てば犬は家畜になるが、贈り物をすれば人は奴隷になりうる。
そのことを危惧したハンターは、あえて感謝の言葉を妨げたのであった。
平等主義のイヌイットでは、分配される食料をあえて贈り物とみなさないことで、
贈与による権力構造の発生を回避している。
明日、たまたま自分が多く食料を手に入れたら、今日食料を分けてくれた人に今度は自分が分けてあげるかもしれない。
しかし、それはもらったことに対するお返しなのではなく、人間として当然の助け合いになる。
逆に、ポトラッチやモカは、お返しすることを義務とみなすことで、まさにここでいうように、
「贈り物によって奴隷を作る」ものだと言える。
ここで注意してほしいのは、
「こういう違いがあるからどちらの民族のほうが道徳的だ、野蛮だ」という話ではないということだ。
そうではなくて、異なる環境のもとで、異なる歴史を経た集団の間に異なる文化が生まれたのだと考えてほしい。
お返しの利子は地域によって異なる
ここまで話してきたように、贈り物であればお返しが求められる。

ただ、お返しをする際に、
もらったものに比べてどれだけの価値のものを返すべきか(すなわち利子率)は地域によって異なる。
等価なものを返すのが普通なこともあるし、より少ないものを返せば十分な場合もある。
すでに見たように、ポトラッチやモカではもらったよりも多くお返しすることが求められる。
これに対し、日本の文化では、たとえば結婚式の祝儀や葬式の香典には、半分から三分の一を返すのが一般的だ。
また、モカが行われるパプア・ニューギニアから近くのトロブリアンド諸島では「クラ」と呼ばれる慣習がある。
そこでは、腕輪と首飾りが交換されるが、その時はお返しまでに一年以上空いていたとしても、
もらったものと等価なものがお返しされる。
モースの『贈与論』によれば、世界各地で見られる贈与の慣習には三つの「義務」が共通している。
すなわち、与える義務、受け取る義務、お返しをする義務である。
利子率に違いはあっても、贈与がこれらの義務を伴うこと自体は普遍的だ、ということである。
こうした義務を伴うやり取りは、日常生活で行われる「贈与」と少し違って感じられるかもしれない。
しかし、文化人類学者たちはこれまでに世界各地でこうしたやり取りが行われていることを報告している。

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◎    首相がポルゲラ鉱山の土地所有者との契約で進展を約束
(パプアニューギニア)(2025.1.17、PIC) https://pic.or.jp/pi_news/10083/
パプアニューギニアのマラペ首相は、
ポルゲラ鉱山の土地所有者との土地利用利益分配に関する合意が今年3月末までに締結されることを約束した。
カナダの企業バリック・ゴールド社と中国の紫金鉱業集団が共同所有するこの巨大鉱山は、
PNG政府がリース条件の改善を要求したため、3年間操業を停止していた。
鉱山は昨年始めに部分的に再開したが、直後に現場で違法採掘者たちの暴力事件が発生し、
さらに大規模な地滑りが発生してポージェラへの道路が途絶えた。それでも、マラペ氏は楽観的な姿勢を崩さず、
「政府はポルゲラの土地所有者と緊密に協力し、平和を回復することで、2025年には採掘事業が円滑に進むようにし、
土地利用利益分配に関する合意は2025年第一四半期に締結する」と述べている。
また、マラぺ氏は、「政府はポージェラへの迂回路の建設を検討しており、
労働者と周辺コミュニティの安全を確保するために、
ポージェラ鉱山に警察官をより多く配置したい。」と述べた。(Radio New Zealand/JAN15, 2025)

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◎ https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/539021/png-s-marape-promising-progress-on-porgera-landowners-deal


PNG事務所通信(2025年1月号)のご案内 : 最新の事業進捗情報をお届けします。
https://www.jica.go.jp/overseas/png/information/press/2024/1559829_52907.html
 パプアニューギニア(PNG)事務所では、
当国における事業の進捗状況等を網羅的に示したニュースレターを半年に一度の頻度で発出しています。
今回は、2024年下半期報告として事業進捗、現地関係者からのひとこと、実施中事業リストについて掲載しております。
 2024年は、1974年に開始したPNGにおける日本のODAが50周年を迎え、10月には記念式典も開催しました。
さらに2025年は日・PNGの外交関係樹立50周年の節目となる年です。
引き続き当事務所ではPNGの経済・社会発展への貢献とともに、両国の信頼関係の強化に努めてまいります。
https://www.jica.go.jp/overseas/png/information/press/2024/__icsFiles/afieldfile/2025/01/09/JPPNGNewsletter2025JAN.pdf

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◎    「日・パプアニューギニア外交関係樹立50周年記念」ロゴデザイナーの大使館来訪(2025.1.15、在PNG日本国大使館)
https://www.png.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000342.html
「日・パプアニューギニア外交関係樹立50周年記念」ロゴマークの作者、ディアナー・ガベホさんが大使館を訪問し、
デザインの意味や両国関係への想いを語ってくれました。ロゴマークは両国旗をモチーフに、
パプアニューギニアの国鳥である極楽鳥と日本の象徴である日の丸が、両国の深い友好関係を表現しています。

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